マイコウイルスに感染した植物病原菌 特定の農薬に弱くなると判明 大阪公立大2024年5月24日
大阪公立大学大学院農学研究科の樋口愛華大学院生(当時博士前期課程2年)、望月知史准教授らの研究グループは、マイコウイルスへの感染がモデルピシウム菌Globisporangium ultimumに及ぼす影響を解析。マイコウイルスに感染した植物病原菌は、特定の農薬に弱くなることを明らかにした。
近年、農作物へ被害を及ぼす植物病原菌を含む真菌や卵菌などに感染するマイコウイルスが注目されている。これまで、卵菌の一つであるピシウム菌に感染するマイコウイルスが発見されていたが、マイコウイルスに感染した際のピシウム菌の状態や遺伝子発現に与える影響は明らかになっていなかった。
同研究グループは、マイコウイルスへの感染がモデルピシウム菌Globisporangium ultimumに及ぼす影響を解析。その結果、マイコウイルスの一種であるトティウイルス(PuRV2)感染株と非感染株には遺伝子の発現量に差があり、ウイルス感染株では薬剤耐性に関わる遺伝子群が減少することが分かった。また、卵菌防除に使われる4種類の農薬への感受性を解析したところ、PuRV2感染株は特定の農薬(メタラキシル)へのみ感受性が高くなることを突き止めた。今後は、他の卵菌での効果の解析を進め、ウイルスを活用した新たな卵菌防除法の開発へ繋がることが期待される。
同研究成果は5月3日、国際学術誌『Microbiological Research』のオンライン速報版に掲載された。
図1:ウイルス(PuRV2)感染株と非感染株の薬剤感受性の比較
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































