【注意報】なし、ももなど果樹全般にカメムシ類 県内全域で多発のおそれ 広島県2024年5月24日
広島県農林水産局は、果樹全般(なし、もも、りんご、ぶどう、かんきつ等)に果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、5月23日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
写真1:果樹カメムシ類(左からチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)
(写真提供:広島県)
広島県農林水産局によると、チャバネアオカメムシ集合フェロモントラップの各地点の誘殺数を5月上旬から調査したところ、世羅郡世羅町では5月第4半旬の誘殺数が急増。累積誘殺数(5月第1半旬から5月第4半旬)は、過去10年の平均の2.5倍となっている。尾道市瀬戸田町では、過去9年の平均の3.1倍となった。
一方、チャバネアオカメムシについて、令和5年度の12月中旬から1月中旬にかけて、県内33地点で果樹園地近隣の里山から採取した落ち葉から、越冬成虫数を調査したところ、捕獲地点率は、過去10年の平均の2.0倍となった。また、平均虫数は、過去10年の平均の2.8倍となっている。
クサギカメムシについて、令和5年度の10月上旬から世羅郡世羅町にトラップを計4台(2地点、各地点2台)設置し、越冬成虫数を調査。平均虫数は、過去3年の平均の5.4倍となっている。
これらのデータから、今後の発生量は多く、県内のほ場において果樹カメムシ類の被害が急激に増加する可能性が高いとみられる。
写真2:果樹カメムシ類による被害果断面(なし)(写真提供:広島県)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇果樹カメムシ類(写真1)は移動性が高く、飛来は園地間差が大きいため、夕方または早朝にほ場周辺も含めて巡回し、ほ場への飛来が認められたら早急に防除する。なお、果樹カメムシ類は夜行性であるため、薬剤防除の時間帯としては、夕方が最も効果的。
〇果樹カメムシ類の加害(写真2)は長期間に及ぶため、継続してほ場の観察に努め、防除実施後も園地への飛来が認められる場合には、追加の防除を実施する。
〇有袋栽培では、袋掛け作業を早めに実施する。なお、袋をかけても、果実が肥大して果実袋に密着すると、袋の上から吸汁されることがあるため注意する。
〇合成ピレスロイド系の農薬は天敵への影響が大きいため、連用するとハダニ類、カイガラムシ類の発生が多くなるので注意する。
〇黄色灯はチャバネアオカメムシに対して忌避効果がある。設置している園では、薬剤防除を徹底した上で、早期に点灯する。
〇薬剤散布については、農薬使用基準(使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数等)を遵守するとともに、周辺作物への飛散防止対策を徹底すること。
〇最新の農薬情報は、農林水産省ホームページ「農薬コーナー」の「農薬登録情報提供システム」を参照。
チャバネアオアオカメムシ誘殺数(世羅郡世羅町、尾道市瀬戸田町)
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