【特殊報】セグロウリミバエ 本島で初めて確認 沖縄県2024年6月11日
沖縄県病害虫防除技術センターは、セグロウリミバエの発生を県本島で初めて確認。これを受けて6月6日、令和6年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
図1:セグロウリミバエの成虫(左上)・図2:頭部(右上)
図3:胸背部(左下)・図4:腹部(右下)(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
沖縄県病害虫防除技術センターによると沖縄本島名護市で、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)用トラップに3月14日に1頭、4月25日に1頭、5月9日に4頭、5月23日に1頭、伊是名村で5月22日に1頭のセグロウリミバエのオスが誘殺された。
過去には、石垣島において平成10年と平成15年に、同様にウリミバエ用トラップに同種オスの誘殺が確認されたが農作物及び野生植物への寄生は見られず、被害は確認されなかった。沖縄県としては21年ぶりの確認となり、沖縄本島では初確認となる。
国内における誘殺事例はいくつかあるが、定着は確認されていない。
セグロウリミバエは日本および朝鮮半島を除くアジア全域に広く分布し、主にウリ科植物の生果実を加害することが知られている。主な寄主はウリ科(メロン、キュウリ、カボチャ、ヘチマ、ゴーヤー、トウガン、スイカ等)だが、その他トウガラシ、トマト、グヮバ、インゲン、パパイヤ等にも寄生する。
寄主果実に産卵管を差し込み、産卵する。それにより産卵孔付近が壊死して果実の腐敗を引き起こしたり、幼虫が果実内部を食害することによって、商品価値が著しく低下するとされている。
成虫は体長約8~9ミリで、頭部は黄褐色で触角下方に1対の楕円形の黒色斑がある(図2)。胸背部は全体に黒褐色で、3本の黄色縦帯がある(図3)。翅の斑紋は前縁帯の頂端に半円形の黒斑がある(図1)。腹部は黄褐色で、第2及び第3節背板に沿った黒色の帯状斑があり、第3~5節背板の正中線上に黒色の縦状斑がある(図4)。卵は白か黄白色で幅0.2ミリ、長さ0.8ミリ。幼虫は成長すると体長7.5~9.0ミリ、幅1.0~1.5ミリ。
幼虫は果実内で生育し、老熟すると果実から脱出して土中で蛹化する。成虫の寿命は6か月以上。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇摘果した果実等の収穫残さは、ビニール袋に入れ密閉処分する。なお、本種は茎葉には寄生しない。
〇施設栽培では側面、天窓、出入口に防虫網(目合2ミリ以下)を設置する。
〇ほ場周辺の野生寄主果実は除去する。
〇庭の果実等に関しては産卵を防ぐため袋がけを行う。また、不用な果実は早めに除去し処分する。
〇現在、耕作地における本種の防除に使用可能な 登録薬剤はない。
重要な記事
最新の記事
-
第21回イタリア外国人記者協会グルメグループ(Gruppo del Gusto)賞授賞式【イタリア通信】2025年7月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日