世界初 退緑黄化病抵抗性メロン「アールスアポロン」シリーズ4品種を育成 農研機構2024年7月10日
農研機構と萩原農場生産研究所は共同で、世界で初めての退緑黄化病抵抗性メロン新品種「アールスアポロン」シリーズ4品種を育成した。同品種は、葉が黄色くなり果実の品質を低下させる退緑黄化病が発生している地域においても、高品質なメロン果実の生産に貢献する品種として期待される。
メロンは主要な果実的野菜の一つだが、特にハウスで栽培されるアールス系メロン(果皮のネットが美しく、果実に枝の部分がT字に付いた状態で販売されるタイプのメロン)の産地では近年、退緑黄化病が発生し大きな問題となっている。退緑黄化病はウリ類退緑黄化ウイルス(Cucurbit chlorotic yellows virus、CCYV)を病原とするウイルス病で、タバココナジラミによって伝搬される。
図1:新品種「アールスアポロン」の果実
メロンがCCYVに感染すると、葉に緑色が薄くなった(退緑)小斑点を生じた後、葉全体が黄色くなり(黄化)、果実重及び糖度が低下するため商品価値が著しく低下。特に、防除効果の高い農薬が限られるタバココナジラミ系統の発生が増えており、従来の方法では十分な防除が難しいのが現状であることから、退緑黄化病抵抗性品種の開発が強く求められている。
そこで、農研機構が開発した退緑黄化病抵抗性系統と、萩原農場が保有する優良親系統を交配して育種を進め、世界で初めての退緑黄化病抵抗性を有するメロン新品種「アールスアポロン」シリーズ4品種(夏系、春秋系、早春晩秋性、秋冬系のF1品種)を育成した(図1)。
同品種は、CCYVに感染しても症状が軽く(図2)、果実重や糖度が低下しにくいため、退緑黄化病が発生している地域における、高品質なアールス系メロン果実の安定生産に貢献する品種として期待される。同品種は、7月から種子の販売を開始した。
図2:メロン生産者ほ場(退緑黄化病発生地域)での試作状況
(A)退緑黄化病による葉の黄化が少ない新品種「アールスアポロン」(左)と黄化が激しい罹病性品種。
(B)正常な「アールスアポロン」の果実(左)と果実が小さく、ネット形成も悪い罹病性品種の果実
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ミニトマトに「トマト立枯病」県内で初めて確認 長崎県2025年6月18日
-
米の相対取引価格 過去最高を更新 60kg2万7649円2025年6月18日
-
農協運動の仲間達が贈る 第46回農協人文化賞 表彰式と懇親会を7月4日に開催2025年6月18日
-
【農協人文化賞特別講演】作家 梯久美子氏 7月4日に講演『アンパンマンはなぜ生まれたか~「食」と「いのち」の哲学~』2025年6月18日
-
小泉農相と経団連懇談 農機もレンタルやリースが当たり前に 農地所有の要件緩和も検討2025年6月18日
-
【'25新組合長に聞く】JA中春別(北海道) 西川寛稔氏(6/3就任) 土を作ってきた営みひきついで2025年6月18日
-
【'25新組合長に聞く】JA鹿児島みらい(鹿児島) 井手上貢氏(5/27就任) 地域との共生、訪問と対話から2025年6月18日
-
調子にノリノリシンジロウ 【小松泰信・地方の眼力】2025年6月18日
-
【JA人事】JA木野(北海道)黒田浩光組合長を再任(6月9日)2025年6月18日
-
米流通 7万事業者すべて在庫を確認 農水省2025年6月18日
-
中山間直払い制度 第5期評価 早急に修正を 第三者委有志が声明2025年6月18日
-
【稲作農家の声】記事まとめ2025年6月18日
-
【機構改革・役員人事】クボタ(7月1日付)2025年6月18日
-
ヤマト運輸の集荷代行 2JAがサクランボとキュウリからスタート JA全農山形2025年6月18日
-
残してほしい水泳授業【消費者の目・花ちゃん】2025年6月18日
-
藤原紀香の『ゆる飲み』淡路島でたまねぎ収穫 日本酒で堪能 JAタウン2025年6月18日
-
箱根西麓の夏野菜が集結「夏野菜フェス」三島スカイウォークで開催 JAふじ伊豆2025年6月18日
-
カーリング日本代表 小泉聡選手と吉村紗也香選手 JAビルへ活動報告2025年6月18日
-
不揃いハーブ活用「フレッシュハーブティーレモングラス&ミント」新発売 エスビー食品2025年6月18日
-
ひろしまは美味しさの宝庫「OK!!広島(おいしいけぇ、ひろしま)」始動 広島県2025年6月18日