【注意報】イネいもち病 県下全域で多発のおそれ 長野県2024年7月25日
長野県病害虫防除所は、イネいもち病が県下全域で多発のおそれがあるとして、7月19日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
長野県病害虫防除所によると、病害虫防除所の巡回調査で、7月中旬以降、各地で葉いもちの発生が確認され、一部のほ場では発病株率が急増している(表1)。
AMeDAS(アメダス)データを用いた葉いもち感染予測モデルBLASTAMによると、7月第1半旬以降での感染好適条件の出現数が平年と比べて多い(表2、表3)。このため、葉いもちが急激に進展することが予想される。また、今後も降雨が多い場合は上位葉へ進展し、その後、穂へ感染し、穂いもちにつながる危険性が高い。
苗箱施薬剤の効果により、これまで葉いもちの発病が抑えられていたほ場でも、今後、残効が切れて急激に発病が拡大する恐れがある。(※注)中山間地域は、地形的に湿度が保たれやすく、いもち病の感染を受けやすい。
<葉いもち感染予測モデルBLASTAMについて>
イネの最も重要な病害であるいもち病の発生を予測するため、AMeDAS(アメダス)データをもとに、温度、葉の濡れ時間等から感染に好適かどうかを判断するシステム。いもち病の感染には、気温と葉の濡れ時間の長さが関係する。感染好適条件とは、10時間以上の葉の濡れと、濡れている間の平均気温が必要温度を満たし(15~25℃で濡れ時間により異なる)、かつ、前5日間の平均気温が20~25℃の場合をいう。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇水田の見回りを実施し、葉いもちの発生状況を確認する。
〇苗箱施薬剤未施用ほ場、多肥等により葉色が濃いほ場では急速に病勢が進展する危険性がある。
〇長野県における主要3品種の葉いもちに対する感受性の高まる葉色の目安は「令和6年長野県農作物病害虫・雑草防除基準」(p67)を参考に。常習発生地や中山間地では特に注意する。
〇葉いもちの発生が多く、既に上位葉にも病斑が見られるようなほ場では、液剤または粉剤を穂ばらみ期と出穂期に散布する。また、出穂期以降に曇雨天が続く場合は、さらに出穂5日後と10日後に追加散布する。
〇穂いもちに対する粒剤の効果は、出穂期の2週間前までの散布で高い。中、晩生種や晩植で出穂期まで期間のある場合は粒剤でもよい。
〇防除薬剤は「県防除基準」を参照し選定する。なお、降雨が続き、液剤が散布できない場合は、粉剤または粒剤を状況に応じ使い分け、適期防除を心がける。
〇多肥ほ場で、上位葉に病斑が見られる場合(特に抵抗性の弱い品種(コシヒカリ等))は、防除を徹底する。
〇いもち病の発生には地域差がみられるため、今後の発生予察情報及び気象情報を注視し、適期防除に努める。
〇薬剤防除にあたっては、周辺作物等への飛散防止に十分注意する。また、殺虫剤との混合剤を使用する場合にはミツバチに対する危被害防止に留意する。加えて、薬剤耐性菌の出現を防ぐため、同一系統薬剤の連用は避ける。
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