【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 神奈川県2024年8月19日
神奈川県農業技術センターは、ブルーベリー(ツツジ科)、オリーブ(モクセイ科)、イヌツゲ(モチノキ科)、コニファー(ヒノキ科)、ジョウリョクヤマボウシ(ミズキ科)、ソヨゴ(モチノキ科)、フェイジョア(フトモモ科)及びマユミ(ニシキギ科)にチュウゴクアミガサハゴロモを県内で初めて確認。これを受けて、8月14日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
神奈川県農業技術センターによると、5~6月に、県内の樹木類生産者から当所普及指導部を通じて、ハゴロモ類の産卵痕による樹の衰弱等の被害について、原因の診断依頼があった。被害の見られた枝に寄生している幼虫および成虫を採集し、農林水産省横浜植物防疫所に同定依頼した結果、チュウゴクアミガサハゴロモと同定された。
左上から、図1:幼虫、図2:幼虫、図3:成虫、
左下から、図4:オリーブ枝における産卵痕、図5:ソヨゴ枝における産卵痕
(写真提供:神奈川県農業技術センター 病害虫防除部)
幼虫は白色、腹部から白い糸状の蝋ろう物質の毛束を広げる(図1及び2)。成虫は体長14~15mm、前翅長14mm程度で、前翅まえばねは茶褐色から鉄さび色。前翅前縁中央部の白斑は扁平な半円形かつ輪郭が直線的(図3)。生態には、不明な点が多い。
被害しとては、成虫と幼虫が枝に寄生し、吸汁。発生が著しいと排泄物によりすす病を発症する。産卵の際に枝を傷つけることで樹勢を衰弱させる(図4及び5)。直径10mm以下の細い枝に産卵するため、枝が折れることもある。
チュウゴクアミガサハゴロモは、中国を原産地とし、ドイツ、フランス、イタリア、トルコおよび韓国などで分布が確認。国内では本州及び九州で分布が確認されている。
同種は広食性で、カバノキ科、クワ科、ブナ科、マメ科、モクセイ科などの寄生が報告。神奈川県においては、モクセイ科、ツツジ科、モチノキ科、ニシキギ科、ヒノキ科およびフトモモ科樹種における寄生を確認している。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇7月現在、ブルーベリー、オリーブおよび樹木類では本種に登録のある防除薬剤はない。
〇同種の産卵痕がある枝は見つけ次第除去し、適切に処分するなど、耕種的防除に努める。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日