ダイズ葉焼病抵抗性遺伝子を特定 米国で利用されてきた抵抗性遺伝子を明らかに 農研機構2025年1月22日
農研機構は、70年以上前から米国等でダイズ品種の育成に利用されてきたダイズ葉焼病抵抗性遺伝子rxpを世界に先駆けて特定した。さらに、この遺伝子を持つダイズを効率的に選抜するDNAマーカーを開発し、DNAマーカーを利用してこの病害に対する抵抗性品種の育成を進めている。
ダイズ葉焼病は温暖湿潤な気候で細菌の感染により発生するダイズの病害。葉の表面や裏面に淡黄色から淡褐色の斑点を生じ、発病が激しい時は、葉全体が淡黄色になり、落葉や枯死により、減収や小粒化による品質低下に至る。
農研機構では、この病害に対する抵抗性遺伝子rxpxpを特定してDNA配列を明らかにし、葉焼病抵抗性を日本のダイズ品種に導入するためのDNAマーカーを開発した。
米国では1950年代に葉焼病の病斑がほとんど出ない病害抵抗性を有する育種素材を利用して品種開発がすすめられた結果、ほぼすべての品種が葉焼病抵抗性となっている。病害抵抗性に関しては、しばしば、病原菌が急速に進化することで抵抗性品種が感受性になってしまう現象である抵抗性崩壊が見られるが、北米で利用されているこの葉焼病抵抗性にはこれまで70年間に渡って抵抗性崩壊は起きず、安定して強い抵抗性を示す遺伝子となる。
交配で導入した抵抗性遺伝子による葉焼病被害の回避
今回開発したDNAマーカーにより日本の品種育成でもこの遺伝子の利用を進める。
日本ではこれまで葉焼病抵抗性に着目した育種が行われてこなかったことから、日本品種の多くは葉焼病抵抗性遺伝子を持っていなかったが、葉焼病は温暖湿潤な気候で多発することから、近年の栽培期間の高温傾向や暴風雨の頻発・激化に伴い、日本でも発生地域が広がり、発生程度の激甚化も懸念される状況となってきた。このため農研機構では、この研究で開発したDNAマーカーを活用することで、葉焼病に対して強く安定した抵抗性を持つ品種の育成を拡大する。
重要な記事
最新の記事
-
米の作況指数の公表廃止 実態にあった収量把握へ 小泉農相表明2025年6月16日
-
【農協時論】米騒動の始末 "瑞穂の国"守る情報発信不可欠 今尾和實・協同組合懇話会委員(前代表)2025年6月16日
-
全農 備蓄米 出荷済み16万5000t 進度率56%2025年6月16日
-
「農村破壊の政治、転換を」 新潟で「百姓一揆」デモ 雨ついて農家ら220人2025年6月16日
-
つながる!消費者と生産者 7月21日、浜松で「令和の百姓一揆」 トラクターで行進2025年6月16日
-
【人事異動】農水省(6月16日付)2025年6月16日
-
3-R循環野菜、広島県産野菜のマルシェでプレゼント 第3回ひろしまの旬を楽しむ野菜市~ベジミル測定~ JA全農ひろしま2025年6月16日
-
秋田県産青果物をPRする令和7年度「あきたフレッシュ大使」3人が決定 JA全農あきた2025年6月16日
-
JA全農ひろしまと広島大学の共同研究 田植え直後のメタンガス排出量調査を実施2025年6月16日
-
生協ひろしま×JA全農ひろしま 協働の米づくり活動、三原市高坂町で田植え2025年6月16日
-
JA職員のフードドライブ活動で(一社)フードバンクあきたに寄贈 JA全農あきた2025年6月16日
-
【地域を診る】「平成の大合併」の傷跡深く 過疎化進み自治体弱体化 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年6月16日
-
いちじく「博多とよみつひめ」特別価格で予約受付中 JAタウン2025年6月16日
-
日本生協連とコープ共済連がともに初の女性トップ、新井新会長と笹川新理事長を選任2025年6月16日
-
【役員人事】日本コープ共済生活協同組合連合会 新理事長に笹川博子氏(6月13日付)2025年6月16日
-
【役員人事】2027年国際園芸博覧会協会 新会長に筒井義信氏(6月18日付)2025年6月16日
-
農業分野で世界初のJCMクレジット発行へ前進 ヤンマー2025年6月16日
-
(一社)日本植物防疫協会 第14回総会開く2025年6月16日
-
農業にインパクト投資を アンドパブリックと実証実験で提携 AGRIST2025年6月16日
-
鳥取・道の駅ほうじょう「2025大大大スイカフェスティバル」22日まで開催中2025年6月16日