多収でサツマイモ基腐病などに抵抗性 原料用サツマイモ「コガネタイガン」育成 農研機構2025年10月6日
農研機構は、でん粉や焼酎の原料用サツマイモ新品種「コガネタイガン」を育成した。原料用サツマイモとして、南九州におけるでん粉や焼酎原料の安定供給への貢献が期待できる。
サツマイモ基腐病発生ほ場での「コガネセンガン」と新品種「コガネタイガン」。
「コガネセンガン」は枯死しているのに対して、「コガネタイガン」では被害がほぼ見られない
サツマイモは、南九州の基幹作物として農業生産ならびに地域経済において重要な品目。南九州におけるサツマイモ生産量の7割以上がでん粉と焼酎の原料として使われているが、サツマイモ基腐病の発生により南九州のサツマイモ生産は深刻な被害を受けた。
基腐病対策により被害は減少傾向にあるが、生産者の高齢化に伴う栽培面積の減少も重なって生産量は十分回復していない。とりわけでん粉の原料不足はかつてない深刻な状況にある。また、南九州では、基腐病を原因としない塊根腐敗症状の発生も問題となっている。
こうした課題に対応するため、農研機構は、2021年に育成した「みちしずく」に続く原料用の基腐病抵抗性品種の第二弾として、「コガネタイガン」を育成した。「コガネタイガン」は、原料用の主力品種「コガネセンガン」よりも収量が優れ、「みちしずく」並みに多収で、基腐病に対する抵抗性がある。
塊根腐敗症状の原因の一つであるサツマイモつる割病に対しては、「みちしずく」よりも強い抵抗性を有する。また、線虫にも強く、複数の主要な病害虫に対する抵抗性(複合抵抗性)を持つことから、安定生産が期待できる。「みちしずく」より萌芽性に優れているため、苗を作りやすく、早期植付の作型にも対応しやすい。
でん粉の特性は従来のでん粉原料用品種と同様で、焼酎にした時の酒質は「みちしずく」と同様、「コガネセンガン」に似ている。でん粉と焼酎、いずれの原料としても利用できる汎用性を有していることから、「みちしずく」と併せて普及させることで、単一品種を栽培することによるリスクの軽減、サツマイモ生産量の向上と原料の安定供給への貢献が期待できる。
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