米消費量「前年同期割れ」6ヵ月連続に 高騰で買い控えか 米穀機構2025年9月29日
米価の高騰を背景に、米の買い控えが止まらない。米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)の調査によると、8月の平均1人1ヵ月当たり精米消費量は前年同月比▲4.6%となり、6ヵ月連続で前年同月比割れとなった。総務省の家計調査報告でも、米の買い控え傾向が顕著だ。
1人1ヵ月当たりの精米消費量
出所:公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)「米の消費動向調査(令和7年8月分)」
家庭内も中・外食も「前年比割れ」
米穀機構は9月25日、「米の消費動向調査結果」(令和7年8月分)によるとモニター世帯の1人1ヵ月当たり精米消費量は4299g(前年同月比▲4.6%)、うち家庭内消費量は2881g(同▲2.4%)、中食・外食の消費量は1418g(同▲8.7%)だった。
8月分の有効調査世帯数は1578世帯で、家庭内の月末在庫量は6.3kgである。
農水省がPOSデータを分析して出すスーパーの販売数量も、8月に入って減少が続いている(ただし9月15~21日の週はプラスに転じた)。
米価の高騰を背景に、米の買い控えが止まらない。米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)の調査によると、8月の平均1人1ヵ月当たり精米消費量は前年同月比▲4.6%となり、6ヵ月連続で前年同月比割れとなった。総務省の家計調査報告でも、米の買い控え傾向が顕著だ。
総務省・家計調査でも「買い控え」傾向
総務省の家計調査報告(2025年7月分)では、交通・通信、保健医療、光熱・水道の費用が上がる中、食費を抑えて家計をやりくりする傾向がみられる。食費全体は前年同月比実質▲1.8%だが、そのうち米は同▲20.0%と減少が目立つ。放出された備蓄米を安く買えた効果も含まれるが、買い控えが拍車をかけた可能性は否定できない。
なおパンも同▲5.5%のため「米からパンへの代替」は確認できないが、麺類は同4.6%増のため、「米から麺類」など他の食品への代替が部分的に起きている可能性が示唆される。
米の価格弾力性「実は高い」との研究も
これまで、米は価格弾力性が低く、価格が変わっても需要量はあまり変わらないとされてきた。
たしかに米穀機構の「米の消費動向」調査では、2024年4月から2025年2月まで「1人1ヵ月当たり精米消費量」は、米価上昇にもかかわらず前年同月比で増加を続けていた。だが、25年3月以降、前述のとおり「前年同月比でマイナス」に転じ、マイナスは半年間に及んだ。
日本国際学園大学の荒幡克己教授は近著『令和米騒動』(日本経済新聞出版)で「家庭内の米需要は、食生活の変容に伴い、むしろ価格弾力性を高めてきた。米が割安となれば、一時的に米需要が、趨勢から逆転して、増加する可能性は十分予想できた」(p44)と説いている。実際、農水省が8月に公表した2023~24年の「需要上振れ」の要因の一つは、先行して値上がりしたパンなどに比べた「米の割安感」だった。
逆に、米に割高感が出る中、今度は買い控えが起きている可能性が高い。需要減による混乱を防ぐためにも、価格と流通の安定が切実になっている。
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