温暖化による土壌有機物の分解速度を解明2013年8月28日
温暖化により土壌微生物の分解が早まることは知られているが、農業環境技術研究所はその分解速度を左右する要因が、土壌有機物自身の分子構造にあることを突き止めた。これによって、気候変動に大きな影響を与える土壌からのCO2放出が、温暖化でどれくらい加速されるのか、正確な予測が可能になる。8月26日発表した。
地球全体の土壌有機物に含まれる炭素量は、大気中のCO2の炭素量の約2倍、植物バイオマスに含まれる炭素量の約3倍以上ある。したがって、土壌の有機物の分解速度がわずかに変化しても、地球温暖化に大きな影響を与える。
要約すると、炭素には土壌微生物の分解酵素が働きやすいもの(O-アルキル炭素)と分解されにくい炭素(芳香族や脂肪族の炭素)がある。したがって、微生物分解が可能な土壌有機物の分子構造を調べ、O-アルキル炭素と芳香族および脂肪族の炭素の割合を明らかにすることで、温度上昇による土壌からのCO2発生への影響が定量的に予測できるようになった。
(関連記事)
・温暖化でリンゴが甘くなる 農研機構などが立証(2013.08.21)
・地球温暖化影響調査レポートを公表 農水省(2013.08.05)
・温暖化対応の農業技術を研究(2008.07.31)
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