腰の負担を軽減 電力不要の「マッスルスーツ」 イノフィス2019年9月11日
機械化が進んでも、人手による荷物の上げ下ろしなど腰に負担がかかる動きは農作業につきものだ。同じ機械でも人間が装着して使うロボットとして開発された「マッスルスーツ」が注目を集めているが、今回は、電気を使わずにパワーをアシストするイノフィスの製品を紹介する。
東京理科大学発のベンチャー企業、イノフィス(東京都新宿区)が開発するマッスルスーツは、「動けない人を動けるようにする」ためのウェアラブル型ロボットとして2001年に開発がスタート。体の動きを補助する装置を搭載した"身に着けるロボット"で、腰を守りながら自分が持てる範囲の重さをより楽に持ち上げることができる。
競合品と大きく違うのは電気を使わないこと。介護の現場では入浴など水を使う場所で使えることが評価され、不意の雨に見舞われる屋外の作業や水を使う機会が多い農業、水産の現場でも使われている。
ラインアップの中でも軽量薄型のエントリーモデル「マッスルスーツedge」を試した。2018年秋の発売以来、累計4000台の人気シリーズだ。本体は4.3㎏と従来のマッスルスーツより約14%軽く、最大25.5kgの補助力がある。
(写真)重い荷物を下ろす時、腰に集中する負担が両太ももと背中に分散する
装着はリュックのように背負い、ベルトを骨盤と胸の2か所で締め、パッドを太ももにそれぞれ掛けるだけ。慣れれば10秒もかからない。そして背中の部分にある独自の「McKibben型人工筋肉」に空気を入れる。同社営業部の長澤幸佑さんは、「人工筋肉の部分は、アルミのフレームにゴムチューブを合わせた単純な構造で、空気圧を供給すると大きな力で収縮する。伸びたら縮もうとするゴムのパワーがサポート力になります」と説明。耐久性に優れ、水にも強く、多少の土埃なら問題なく使える。精密機械ではないため、飛行機に荷物として預けることも可能だ。
「マッスルスーツ」は、パワーアップではなく、あくまで自分の力をアシストするための道具。実際に着用して20kgの袋を持ち上げると、腰に集中していた負担が両太ももと背中に分散される感覚で楽に持ち上げられる。特に荷物を下ろす時の腰の安心感は大きく、荷物を下ろす時に腰に大きな負担がかかっていることを改めて実感した。
「マッスルスーツEdge」は、49万8000円(税別)。
(写真)「マッスルスーツEdge」/アルミのフレームにナイロン繊維で囲んだゴムチューブを合わせたシンプルな構造。"ママチャリ"のようにほとんどメンテナンスの手間もかからない
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