衛星データで農業課題の解決に取り組むサグリ社へ出資 リアルテックファンド2021年6月2日
リアルテックホールディングス株式会社(東京都墨田区)が運営するリアルテックファンドは、サグリ株式会社(兵庫県丹波市)へリード投資家として、みなとキャピタル株式会社、池田泉州キャピタル株式会社、株式会社広島ベンチャーキャピタル、ひょうご神戸スタートアップファンド等と投資を実施した。
サグリ社は衛星データとAI技術・区画技術を掛け合わせたデータプラットフォームを構築し農業分野におけるアジア地域の課題解決に取り組む、日本発のスタートアップ。自治体向けにデジタル地図上で耕作放棄地を把握するアプリ「ACTABA(アクタバ)」を展開し、農業委員会などによる調査の負担軽減や耕作放棄地の早期発見を通じて有効活用・地域活性化に寄与する。
ACTABAは、 衛星写真を使用して農地の荒れ具合を人工知能(AI)が判断し、耕作放棄地とみられる土地を赤色で表示。放棄されている疑い(耕作放棄地率)の高い場所ほど、赤色が濃くなる。耕作放棄地の判定精度は現状でも9割を超える正答率。全国の自治体で使われることでACTABA自身が学習するため、アプリの精度がさらに高まる。
今後サグリ社は、ACTABAの普及を土台として、農業におけるデータプラットフォーム構築を目指し、農家個人に向けた営農サービスを展開。衛星データによる土壌解析技術を用いた土壌診断を行い、施肥量適正化による「肥料コスト削減」や土壌より生じる温室効果ガスの把握と削減など「地球環境改善」から着手する。植生解析による収量増加・環境にやさしい農業を展開することにより、国内のみならず、東南アジア諸国を始めとする海外の農家の収益向上にも貢献することをめざす。
資金調達により、農地状況把握アプリ「ACTABA」について、投資家である地域金融機関とも連携しながら、全国における市町村のユーザー獲得・導入をめざす。また、営農サービスのために衛星データによる土壌解析技術の開発と実装を行い、アプリの開発完了をめざす。
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