世界の垂直農法市場 2027年まで20.2%のCAGRで成長見込み2021年8月24日
REPORT OCEANは8月16日、世界の垂直農法市場に関する最新レポートを発行した。
同レポートによると、世界の垂直農法市場は、2020年には約29億米ドルとなり、2021年から2027年の予測期間には20.2%以上の成長率が見込まれている。
垂直農法は、都市環境で垂直方向に傾斜した面で農産物を栽培する方法。広大な土地に1層の作物を栽培するのではなく、作物のスタックを上向きに栽培あする。垂直農業では、従来の農業と比較して、植物が短期間で成長し、より栄養価が高くなるような技術を利用して、施設内に人工的な環境を作り出す。世界の垂直農法市場の主な推進要因は、環境への影響を最小限に抑えた高品質な食品への需要の高まり。また、農薬の不使用、天候による作物の不作、環境にやさしい方法、都市人口の増加、年間を通じての作物生産量の増加などの傾向が急増していることも、市場の成長を後押ししている。
The Population Reference Bureau(人口参考局)によると、2010年の世界の都市住民の割合は51%と推定。この割合は、2050年には世界人口の70%にまで増加すると予想されている。温度調整、水の適切な管理、植物への栄養分の特定と供給、採用する成長メカニズムの決定、植物の個々の収穫時期など、栽培する作物の種類に対する制限は、植え付けを始める前に考慮しなければならない。そのため、あらゆる種類の植物を垂直農法で栽培することは難しく、これが抑制要因となっている。
世界の垂直農法市場の地域分析は、アジア太平洋地域、北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、その他の地域などの主要地域が対象。アジア太平洋地域がこの分野を支配しており、予測期間中も引き続き支配的であると予想される。肥沃な農地が少なく、人口が増加していることから、代替農業の重要性に対する認識が高まっていることが、産業界からの需要を刺激すると予想される主な要因。欧州では、遺伝子組み換え作物技術の拡大に伴い、予測期間中に大幅な成長が見込まれている。また、ナノテクノロジーやロボット工学の導入が進んでいることも、この地域の市場の需要を高めている。
同レポートに掲載されている主な企業は次の通り。
Koninklijke Philips N.V.
エアロファームズ
スカイグリーンズ
Illumitex, Inc.
エバーライト・エレクトロニクス社
グリーンセンスファームズLLC
アグリリューション
アメリカン・ハイドロポニックス
アーバン・クロップス・ソリューションズ
バーティカル・ファーム・システムズ
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