バイオスティミュラント評価で三井物産アグロビジネスと共同研究開始 AGRI SMILE2021年9月2日
IT技術と研究開発で農業協同組合向けDX事業などに取り組むAGRI SMILEは、持続可能な農業の実現に向け、三井物産アグロビジネスと連携し、バイオスティミュラント資材評価に関する共同研究を開始した。

同社は、独自のバイオスティミュラント資材評価系を用いて、食品産業における未利用資源を活用したバイオスティミュラント資材の研究開発と評価事業を推進している。
今年度から、三井物産アグロビジネスと共同研究契約を結び、三井物産アグロビジネスが販売するバイオスティミュラント資材に関して、作用機序の解明に向けた研究を開始。AGRI SMILEの評価系を用いて作用機序を明らかにし、農業現場への導入をスムーズにすることで、日本市場におけるバイオスティミュラント資材普及への貢献が期待される。
化学農薬や化学肥料の使用量削減と、気候変動による植物へのストレス耐性付与を同時に果たす方法として、近年、新たな農業資材カテゴリーとして注目のバイオスティミュラント資材。植物の免疫系を活性化し、根張り・収量の向上や、乾燥/過湿耐性、耐病性、耐高/低温性、耐塩性などの効果があり、原料は微生物や多糖類、ペプチド、有機酸、ミネラル、腐植酸など多岐に渡る。
付与したい性質に沿って、バイオスティミュラント資材を適切なタイミング・量で供する技術が確立されれば、化学肥料や農薬の使用量を削減しながら供給責任を果たす農業の実現に貢献すると期待されている。
一方で作用機序に関しては知見が少なく、農業現場での実証試験の結果を基にその効果や応用性を評価することが中心。そのため、新規資材の導入を目的とした試験では、使用技術の確立に時間がかかる上、効果はあるが作用機序が不明瞭な資材という農業現場での不安があり、現場への導入はスムーズに進んでいない。
そこでAGRI SMILEは新たに研究室を設立するとともに、バイオスティミュラント資材の独自の評価系によって、資材検証と新規資材の研究開発を開始。同評価系では、イネの幼苗を用いた研究室スケールの短期試験において、資材添加によるバイオマス量への効果を検証することに加え、網羅的な遺伝子発現解析・植物ホルモン解析などミクロな観点からメカニズム解明を試みる。さらに、研究室スケールでの評価からほ場スケールへの評価も合わせて、スムーズな現場導入に向けた技術知見を獲得する。
三井物産アグロビジネスは、国際的なバイオスティミュラント資材のネットワークを活用し、フルボ酸、アミノ酸等を有効成分とした新規バイオスティミュラント資材の探索と日本市場への導入を進めている。
共同研究は、双方の強みを活かし、ハイスループットに資材のエビデンス情報を獲得し、日本市場でのバイオスティミュラント資材の普及へと繋げることを目的としている。第一弾として、国外の食品産業における副産物を活用したバイオスティミュラント資材に着目し、三井物産アグロビジネスが資材調達を担当。AGRI SMILEが評価系による資材検証を進める。
三井物産アグロビジネス技術推進室の山田洋氏は「共同研究では、該当商品の最適な使用方法の探索と効果の高い商品のスクリーニングを目的にした科学的エビデンスの構築を図っている。今後、植物に対する新たな作用の解明にも寄与する可能性を秘めている」とコメント。また、AGRI SMILEの中道貴也代表は「共同研究により、エビデンスに基づいたバイオスティミュラント資材を早期に普及させ、農業現場の課題解決に貢献できれば。未利用資源を活用したバイオスティミュラント資材に関する技術基盤の強化に努めていく」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日 -
「アフガニスタン地震緊急支援募金」で845万円を寄付 コープデリ2025年12月12日 -
有機栽培39年 生産者が伝えた自然との共生「第24回女性農業者交流会」開催 パルシステム2025年12月12日 -
深川の自社物流施設空域を活用 ドローンショー「Xmas Night Canvas」開催 ヤマタネ2025年12月12日


































