塩化カリ価格の高騰懸念 ロシアとベラルーシから25%2022年3月4日
日本で使用されている化学肥料の大半は原料を海外から輸入している。世界的な穀物価格の高騰で生産意欲が旺盛となり肥料原料の国際市況のさらに上昇する見込みに加え、日本は塩化カリの4分の1をロシアとベラルーシから輸入しており、ウクライナ危機の経済制裁で調達が困難になると業界ではみている。
昨年5月に公表された「白書」には「肥料原料は大半を輸入依存」とのコラムが掲載されている。
リン鉱石と塩化カリは全量を輸入している。2020年の統計では、リン鉱石は約15万1000tで中国25.5%、南アフリカ共和国20.8%、モロッコ17.3%とこの3か国で輸入量全体の約6割を占めている。
リン酸アンモニウム(リン安)は約49万tでこのうち中国からの輸入が9割を占める。
塩化カリは約43万7000tでカナダが6割を占めているが、ロシアとベラルーシを合わせて25%と4分の1を占める。
今回のウクライナ危機で米英や欧州連合がロシアを「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除しドル決済ができなくる。ベラルーシの含めて塩化カリはこの両国から調達はできなくなると見られカナダからの輸入を増やすことが検討されているが、価格上昇は一層懸念される。
農水省は海外市況に左右されず、より持続性の高い農業を実現していくため、たい肥の活用など国内有機性資源を循環利用していくことが必要だとし、「肥料コスト低減体系緊急転換事業」(令和3年度補正予算)などで支援していく。
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