「1割の関わり」が農業を支える 91農業フォーラムin東北開催 JA全農2026年2月27日
JA全農が提唱する新たなライフスタイル「91農業」をテーマにした「91農業フォーラムin東北」が初開催された。農業の担い手不足が深刻化する中、本業を持ちながら短時間でも農業に関わる仕組みづくりを探るもので、特別講演ではサッカー元日本代表の中田英寿氏が登壇。JALやJAふくしま未来、そうしんアグリによる具体的な労働力支援の事例も紹介され、多様な人材が地域農業を支える新たなモデルの可能性が示された。
挨拶するJA全農耕種総合対策部 鈴木部長
「91農業(きゅういちのうぎょう)」は、9割が仕事などの本業、1割を農業に関わるJA全農が新たに提唱するライフスタイル。農業を専業として担う人だけに任せるのではなく、地域住民・企業社員・都市住民などが、短時間・短期間でも農作業に参加することで、農業を支える仕組みをつくろうという発想だ。
このたび初開催された「91農業フォーラムin東北」では、農業の労働力不足が深刻化する中、地域を支える新しい参画の形を探った。冒頭あいさつでJA全農耕種総合対策部長鈴木氏は、農業者の減少や高齢化、季節的な人手不足が進む現状を示し、生産者だけでなく地域住民や企業、消費者がそれぞれの立場で関わる仕組みづくりが不可欠だと強調した。特別講演ではサッカー元日本代表の中田英寿を招き、日本農業の魅力や課題、消費者が"応援者"となる可能性について議論する方針を示した。事例紹介では、日本航空による社員参加型の取り組みや、JAふくしま未来の農福連携、そうしんアグリの農作業受託事業など、多様な人材を現場に呼び込む実践が共有された。
◎現場を知ることが未来を変える
特別講演に登壇した中田氏
特別講演で中田氏は、現役引退後、世界を巡る中で「日本とは何か」を問われ、自らが日本を十分に知らないことに気づいたと振り返る。その後、全国各地の生産現場や伝統産業を訪ね歩き、「文化とは地域の暮らしの積み重ね」と実感したという。
日本農業については、生産者の技術力を評価する一方で、「素晴らしいものを作っていても、伝える仕組みが弱い」と指摘。さらにスポーツ同様、農業も消費者が「食べる人」にとどまらず、「応援する人」へと関わり方を広げる必要があると述べた。また、「安定して食が買える前提は揺らいでいる」と危機感を共有。生産者だけに負担を背負わせるのではなく、リスクを分かち合う仕組みづくりが求められると話す。
「一度現場を体験すれば、見方は変わる」地元の農業を知ることから始まる関わりが、農業の未来を支えると語った。
◎広がる支える農業のかたち
事例報告者
農業の人手不足に対応する具体的な実践例として、JAふくしま未来、日本航空(JAL)、そうしんアグリがそれぞれの取り組みを紹介した。
日本航空(JAL)は、パイロットを含む社員が現場に入り収穫や選果作業を支援する企業参加型モデルを展開。農業支援は地域貢献であると同時に、人材育成や組織活性化にもつながる取り組みとして位置づけられている。
JAふくしま未来は、日本郵政などの企業や地域住民と連携し、短期・短時間でも農業に参加できる労働力支援モデルを構築した。作業内容を事前に学べる動画配信や、農家と参加者のニーズを調整する仕組みを整備。未経験者でも安心して現場に立てる環境づくりを進めている。
農作業を請け負う受託事業を展開するそうしんアグリは、個人を集めてチームを編成し、現場には必ず作業リーダーを配置する体制をとるのが特徴。生産者はリーダーとやり取りすることで、指示や管理の負担を軽減できる。2025年度に延べ9,500人の作業を請け負い、26年度は12,000人を目指すとしている。
同フォーラムはJA全農耕種総合対策部東北営農資材事業所と東北ブロック労働力支援協議会の共催。参加者の中心は40代から60代だった。事前アンケートでは、全体の約9割が「農業経験がある」または「やってみたい」と回答しており、農業への関心の高さがうかがえる結果となった。
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