2024肥料年度秋肥 高度化成+10.6% 3期ぶり値上げ 円安が要因 全農2024年5月31日
JA全農は5月31日、2024(令和6)肥料年度秋肥(6~10月)の肥料価格を公表した。円安の影響で3期ぶりの値上げとなった。
海外肥料の尿素とりん安は、国際市況の上昇と円安が重なり値上げ、塩化加里は国際市況は軟化しているものの、円安の影響で値上げとなる。
国内メーカーとは、物流費や人件費、重油などの製造コストが上昇していることから値上げで決着した。
決定した価格のうち、基準となる高度化成(15-15-15)は+10.6%。
尿素は国産は+5.7%だが、輸入は円安の影響で+13.7%の値上げとなる。
全農によると尿素は昨年の夏ごろに、在庫が減ったブラジルで需要が旺盛となったことや、エジプトでの天然ガス不足による生産量減少などを背景に市況が急騰した。その後、年末にかけて欧米の需要低迷で市況は弱含みとなったものの、今年になってから東南アジアでの生産トラブルで上昇した。足元ではインドの低水準な入札結果で市況が軟化しているが、依然高い水準にある。
りん安は、米国、ブラジル、インドなど主要な需要国向けの荷動きが順調だったことから、昨年の夏以降、市況は大きく上昇し高い水準で推移している。
塩化加里は、市況は軟調だが、北米、南米を中心に荷動きが活発化しており、今後は需給の引き締まりによる市況の反転が見込まれるとして「注視する必要がある」(全農)だという。
海外運賃市況は上昇している。要因はパナマ運河の水位低下による通狭制限に加え、中東では紅海を航行する船舶をフーシ派が攻撃するなどで、多くの船舶が南アフリカの喜望峰を迂回する事態となっている。そのため輸送コストが上昇している。
円相場は4月以降、1ドル150円台と大幅な円安水準にある。米国の早期利下げ観測が後退していることもあり、円安・ドル高が継続するという見方もある一方、日本政府の為替介入観測もあって見通しにくい状況が続くとみられる。
こうした状況のなか、今回は3期ぶりに値上げとなった。
全農は土壌診断にもとづく適正施肥や堆肥の活用など、コスト低減施肥体系を推進する。また、Z-GISの活用によるほ場管理やザルビオによる土力マップ作成とそれに基づく可変施肥などスマート技術の活用も進める。
また、鶏糞燃焼灰や、下水汚泥由来の回収りんを活用した銘柄の開発普及の取り組みの強化、堆肥を化学肥料に混合した複合肥料も広域統一銘柄の拡大で普及を広げる。堆肥入り複合肥料は2023年度は1万3600tの取り扱い見込み。24年度は回収りんなどの肥料資源も活用し1万5000tの取り扱いを計画している。
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