幸せに暮らす集落 鹿児島県土喰集落の人々と共に

- 著者
- ジェフリー・S・アイリッシュ(Jeffly S. Irish)
- 発行所
- 南方新社
- 発行日
- 2013年1月31日
- 定価
- 1800円+税
- 電話
- 099-248-5455
- 評者
- 梶井功 / 東京農工大学名誉教授
高齢化率84%という薩摩半島の山奥にある小集落土喰(つちくれ、と読む)で、助けあいながら自分達の力で前向きに、しかし無理をしないで生きている27人(男9人女18人)1ひとりの生きざまを語っている。その1人ひとりに関係する、或は土喰の集落行事の豊富な写真(「昭和5年」の写真もある)つきである。語り手は、この集落に1998年から住み続け、集落小組合長も2度務めたアメリカ人、J・アイリッシュ。
村の大切な日々を記録
アイリッシュは米国はカリフォルニア州生まれ。1982年エール大学を卒業、清水建設や下甑島での定置網の仕事に就いた後、ハーバード大学大学院、京都大学大学院で民俗学を学び、今、鹿児島国際大学准教授として地域づくり・まちづくりなどについて教えている。 “工夫力や行動力、知恵、思いやり、遊び心に溢れた日本人を、より多くの人々に知ってもらいたい”との思いから宮本常一の『忘れられた日本人』を初英訳、出版している(The Forgotten Japanese:Stone Bridge Press)。“宮本の本の中の風景や村社会は、土喰集落と共通するところが多い。集落をあげての共同作業や寄り合い、自然界に対する迷信など、本のなかの世界と今の生活が大きく変わっていないと感じる”という。
が、その“土喰集落の子供達は、鹿児島市や大阪、東京で家族と共に落ち着いた生活を送っている。近い人は週末に、遠い人はお盆かお正月に帰ってくるけれど、ここに再び住む気配はない”。この集落もやがて消えゆく「限界集落」とみていいだろう。そういう“集落をなんとか活性化しようと躍起になり「人工呼吸器」をつけて生かそうとするのも不自然なことだと感じる”と著者はいう。“福祉サービスをより充実させながら集落の行く末は主人公である住人達に任せる。…1人ひとりが最後の日まで毎日を大切に生きていく。それができることが一番大事”だと考えるからである。皆で議論したい問題である。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
全地形型プラットフォーム車両「KATR」、レッドドット・デザイン賞を受賞 クボタ2025年10月17日
-
農業分野初「マッスルスーツSoft-Power」と「COOL-VEST」を同時導入 イノフィス2025年10月17日
-
伝統のやぐら干し「産直大根ぬか漬けたくあん」がグッドデザイン賞受賞 パルシステム2025年10月17日
-
鳥インフル 米モンタナ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月17日
-
鳥インフル 米アイダホ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月17日
-
生産者・消費者協議会「第14回青果フォーラム」開催 パルシステム連合会2025年10月17日
-
リジェネラティブ農業「種まき体験プログラム」藤沢市で初開催2025年10月17日
-
ランチにキウイで栄養課題に挑む オイシックスと特別コラボ実施 ゼスプリ2025年10月17日
-
デルフィニウムの新シリーズ「キャンドルiQ」3品種を発売 サカタのタネ2025年10月17日
-
カインズ オリジナル商品・取り組みが「グッドデザイン賞」を受賞2025年10月17日
-
「北海道くしろのふれあい祭り 秋の収穫祭」開催2025年10月17日
-
「第7回冷凍レシピコンテスト」結果発表 日本野菜ソムリエ協会2025年10月17日