全国の生協などが農協つぶしに抗議2014年6月2日
農協だけでなく、全国の生協を組織する日生協など、わが国の主要な協同組合が集まり、規制改革会議の農協つぶし案に対して、強い懸念を示す共同声明を発表した(声明文は本文の下)。
言い方は穏やかだが、言っている内容は厳しい。内容は、法律に基づき、民間で自主的・民主的に組織されている協同組合に対して、強権的に解体を迫るものだ、とする激しい抗議である。
経済的弱者どうしが、連帯して強者に立ち向かったのである。熱い敬意を表したい。
この共同声明を発表したのは、日本協同組合連絡協議会である。はじめに、敬意を込めてその構成団体と、この共同声明に賛同した団体を記しておこう。
上の表で、団体名の後に、構成員の数を書いておいた。その中には、不明なものもあって、分かったものだけを書いた。合計すると4059万人になる。重複する人が若干はいるだろうが、その数は少ないとみられる。
これだけの人たちが連帯すれば、規制改革会議の農協つぶしを阻止できるか。
この人数は、全国の有権者は10396万人だから、その39%になる。
また、この人数は、昨年の参議院選挙の全国区の投票者数は全部で5323万人だったから、その4分の3を超えて76%になる。もちろん第1党になって内閣を作り、その首相を出せる政治勢力になる。
この人たちが連帯すれば、こんどの規制改革会議の農協つぶしを阻止することは、いとも容易なことになる。
◇
さらに、この人たちに労働組合員と中小企業主が加わればどうなるか。
それは、国民の99%を占める経済的弱者の連帯になる。
この連帯の力こそが、こんどの農協つぶしのたくらみなど、荒れ狂う市場原理主義の嵐を吹き飛ばす原動力になる。沈滞した日本を変える原動力になる。
◇
農協は、いままで保守派で、労組や生協は革新派とされてきた。そして、選挙ではいつも対立し、政治の場で反目しあってきた。弱者どうしが醜く対立し、反目しあってきた。
その生協が、こうした過去のいきさつにとらわれず、農協つぶしに対し、連帯して反対を表明したのである。まさに隔世の感がある。後世に誇るべき歴史的な出来事といっていい。
農協も、過去のいきさつにとらわれず、生協や労組や中小企業主と固い連帯を結び、弱者連合の力で、この危機を乗り越えねばならないだろう。
◇
農協はいま、市場原理主義農政の嵐にさらされている。保守本流の自民党に見放されようとしている。そうして存亡の崖っぷちに立たされている。
いまこそ、弱者どうしが連帯し、保守の壁を越え、革新の壁を越え、弱者の立場に立って、99%の国民のための日本を再生する先頭に立ち続けねばならない。
地方の各地では、すでにその萌芽が芽生えている。たとえば北海道のように。
(追記)
今朝の日本農業新聞も伝えているが、国際協同組合同盟は、昨日、日本の農協つぶしを非難(condemn)する声明を発表した。
同時にポーリン・グリーン会長は、この規制改革会議案は、協同組合運動の基本原則への攻撃であり、10億人に支えられている世界の協同組合運動の全体は、日本の協同組合運動家とともに立ち上がる、と語った。
百万人の味方どころか、その千倍の10億人の味方が、力強い連帯を表明したのである。
規制改革会議は、世界の顰蹙を買い、世界に日本の恥をさらしている。
日本協同組合連絡協議会などの共同声明は…ココ
日本の農協つぶしを非難(condemn)する声明は…ココ
(前回 TPP交渉の中断)
(前々回 規制改革会議の農協つぶし)
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