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【加藤一郎・先の先】産学連携事業の重要性(前)2018年10月18日

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【加藤一郎(千葉大学客員教授・元全農代表理事専務)】

 全農を退職後、母校千葉大学の校友会副会長、園芸学部OB会会長などを務めてきましたが、このたび客員教授を依頼され就任しました。2004年に国立大学は「国立大学法人」に移行し一貫して文科省の運営交付金(補助金)が削減されてきました。民間の経営手法を導入して効率化をはかる手法です。効率化の追求は学問の研究にはなじまないとの思いもありますが、現在進めている産学連携事業を米国と比較する機会がありましたので前後の2回に分けて記載いたします。

◆米国の経済繁栄の要因は
 
 肥料原料のカリ鉱石の世界最大の採掘・販売会社であるポタシュコープ(PCS)社長&CEOを退任し、米国ジョージタウン大学(ワシントンDC)の経営会議議長、同窓会会長に就任したドイル氏が昨年末に来日し、彼と親交があったJA全農の現役・OBとの会食の機会を得ることができた。
 ドイル氏は2014年ハーバートビジネスレビューで世界のCEOの10位にランキングされた経営者であり、今回の来日の主目的はジョージタウン大学の日本支部総会に参加することにあった。
 ジョージタウン大学はクリントン大統領、アブドゥラ・ヨルダン国王、河野太郎外務大臣、緒方元国連高等弁務官など多数の政財界の著名人を輩出している。
 ドイル氏は全世界に散らばる大学の同窓生との結びつきを強め、経済発展と平和への貢献をはかりたいと語った。今思えば、昨年末の河野外務大臣のイスラエル、パレスチナ、ヨルダン、オマーンの訪問は、同窓生外交のように思われる。
 ドイル氏は「米国の経済繁栄の要因として、約30年間に飛躍的に発展した産学連携がある。個別企業が独自の経営資源で研究開発する時代から、大学との共同・委託研究の時代になり、オープンイノベーションの成果がでてきた。また人材育成も大学と企業間の交流も飛躍的に進展し、多くの起業家が誕生したことが、米国経済の発展に大きく寄与した。特に農業分野におけるイノベーションは各大学と民間企業との共同研究の競い合いと大学の学部間の縦割りを打破してきたことにある。」と語った。このことは千葉大学の古在豊樹元学長(園芸学部卒業の私の4年先輩)が大学の学部の縦割りを廃し、環境健康フィル―ド科学センター(柏の葉キャンパス)を設立した動機と同じくするものがある。

 
 
◆産学連携・寄付文化の日米格差

 文科省の運営交付金の削減は教職員の削減と研究費の削減につながり、国際比較において我が国の科学技術力の低下と知的財産力(パテント)の低下の要因ともいえる。特に基礎研究をなす研究室の運営費の減少は悲惨な状況といって過言ではない。米国の連邦政府は憲法上教育に関与する権限がないので、ほとんどが全米科学財団などの政府機関からの研究費と米国内企業との共同研究、関係法人からの寄付金などから成り立ち、今後、国際共同研究の拡充がテーマになっていると言われる。我が国はそのステージ以前の状況と言える状況である。
 もう一つの日米の違いに寄付の文化がある。ドイル氏夫妻が1000万ドル(約11億円)をジョージタウン大学に寄付した時と聞いた時には、絶句した。彼と出逢をもった時は、お互いに20代後半で彼はリン鉱石販売会社の輸出の担当者で、私が米国のリン鉱石採掘の合弁会社に出向した時代に、彼は上司と意見が対立して退社し、カナダのPSC社に入り、同社をグローバル企業に発展させました。まさにアメリカンドリームを体現した人物である。彼らは当たりまえのように多額の寄付を行う。
 日本ファンドレイジング協会の「寄付白書」によると我が国は個人と法人と合わせて1.5兆円で、米国は30兆円となっている。我が国は大学に寄付をする文化は、一部の大学を別にして確立されていないといえる。我が国の大学同窓会役員の活動の大半はかつての卒業生の親睦の場の提供から、研究費不足を解消するための募金活動となる状況に追い込まれがちである。

 

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