農協と国立大学が初めて連携協定締結2018年4月5日
・JA東西しらかわと千葉大学大学院園芸学研究科
JA東西しらかわ(福島県)と国立大学法人千葉大学大学院園芸学研究科・園芸学部(以下、千葉大園芸学)および千葉大学園芸学部OB会「戸定会」の3者は、既報(本文末の関連記事のリンク先)のような内容で、「連携協力に関する協定」の締結式を4月4日にJA本店で行った。
(写真左から)薄葉功・JA東西しらかわ代表理事組合長、小林達明・国立大学法人千葉大学大学院園芸学研究科長、加藤一郎・千葉大園芸学部OB会「戸定会」会長
この3者による「連携協力に関する協定」が誕生した経過は、沼野JA東西しらかわ専務の当日の報告によれば次の通りだ。
同JAが東日本大震災からの復興事業として、植物工場「やさいの家」を建設するときに、同学柏の森キャンパスの植物工場プラントの視察をはじめ、設計・運営支援をしてもらい(平成24年)、その後も栽培技術などで指導を受けてきた。さらにJAにおける栽培技術の向上と園芸事業の促進をはかるために、3者で協定内容の確認や運営方法について協議・検討して今日にいたったという。
締結式には、JAからは薄葉功代表理事組合長、沼野謙一代表理事専務をはじめとする常勤監事・理事、佐川富夫、渡辺繁光両副組合長をはじめとする各委員会委員長、各部署の責任者である幹部職員ら22名が出席した。
千葉大園芸学からは、小林達明同学研究科長、天知誠吾同副科長、丸尾達同副科長、近藤悟同学園芸学科長、宮近一豊事務長ら6名が出席。
千葉大園芸学部OB会「戸定会」からは、加藤一郎会長、賀来宏和副会長ら3名が出席。
締結式では協定書および覚書の内容を確認後、3者の代表が署名・調印を行い、正式に協定が発効した。
協定書の基本的な精神は「生産現場が抱える課題や望まれる技術開発に関して双方の研究協力が円滑に行えるとともに、最先端の研究成果が生産現場に活かされることで、地域農業振興に役立てていく」ことにある。
その具体的な内容は
▽JAの植物工場の栽培指導・運営支援
▽営農指導技術・情報交流によるJA管内の農業振興による地域活性化支援
▽共同研究・委託研究、コンサルティングによる成果に基づく事業化の促進
▽学生の生産現場研修による実践的学習の推進となっている。
薄葉組合長は調印後のあいさつで「調印することで、さらに事業を前への思いを強くした。農業と地域振興に邁進していきたい」と決意を込めて語った。
農協と国立大学法人が連携協定を締結するのは初めての「画期的」なことだという。また、産学連携を含めてこうした協定に大学OB会が加わるのも初めてのことだ。戸定会の加藤会長は、「千葉大園芸学部の多くのOBはさまざまな分野で活躍しており、そうした人たちの経験や知見、情報を得られることは大きな力になるのではないか」と、戸定会参加の意義を語っている。
野菜や果樹を生産する現場とそうした作物そのものや栽培方法などについて研究開発する千葉大学園芸学部、さらに同学を卒業し社会的に活躍するOBの連携が、具体的な成果をあげることに期待して、今後も大いに注目していきたい。
(関連記事)
・JA東西しらかわと千葉大学園芸学部が連携協定(18.03.22)
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