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【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国民の命を守ることが国防ならば農業振興こそが安全保障の要2022年9月15日

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先日、朝のテレビニュースで、酪農家を中心に日本の農家の窮状を克明に伝え、国民の理解と政策の役割を促し、国民全体で食と命を守る機運を高める報道がなされた。

9月9日のNHK「おはよう日本」は酪農家の窮状を克明に伝え、国民の行動と政策の必要性を示唆した。筆者も、スタジオ解説で概ね次のように述べた(エリザベス女王の逝去で実際は割愛した箇所がある)。

(質問) 酪農家が苦しんでいる一方で、メーカーからするとコロナ禍で消費が減っている中、これ以上値上げしてさらに消費が減ったら困る。とても難しい状況だが、どうすれば私たちが牛乳や乳製品を食べられなくなるという事態は避けられるか?

(鈴木) 私の元にも各地の酪農家から「限界が近い」「年を越せるかどうか」といった悲痛な声が届いている。
国が政策で誘導して増産を呼びかけて多くの酪農家がそれに応えようとしてきた。その矢先に、コロナ・ショックやウクライナ紛争が襲い、一転して、牛乳搾るな、乳製品在庫が増えたから乳価は上げられないと言われ、生産コスト高騰のしわ寄せが酪農家に重くのしかかっている。
11月から(飲用乳の取引価格が10円/kg引き上げられることになったのを受けて)酪農家の手取り乳価は関東などで約10円、(加工向けが8割を占める)北海道で2円程度上がるが、これだけでは、国内の酪農家がバタバタと倒れていきかねない。しかし、さらに乳価を上げれば消費者の負担も増えていくことになる。
消費者も自分たちの牛乳を守ると考え、受け入れてもらいたいが、消費者の負担にも限界がある。今こそ、政策の出番だ。国の財政出動で酪農家に補填すれば、消費者に負担をかけずに酪農を守ることができる。酪農家さんには踏ん張ってもらいたい。

(質問) 今、食料輸入が不安定になっている一方で、国内の農家がどんどん疲弊していくとなると、これから私たちの食料はどうなっていくのか、不安にもなってくるのだが。

(鈴木) 中国が食料や飼料を大量に輸入するようになる一方で、肥料などの生産資材の輸出を抑制し、日本が思うように買えなくなってきている。かたや、異常気象が通常気象のようになり、世界各地で農産物生産の減少が頻発している。つまり、これから食料の輸入は常に不安定な状態が続く。
そういう中で、コロナ・ショックやウクライナ危機のような不測の事態が起これば、「お金を出せば食料は輸入できる」ことを前提にした食料安全保障は通用しない、ということが明白になってきている。
このまま日本の農家が疲弊していき、ほんとに食料輸入が途絶したら、国民は食べるものがなくなる。
不測の事態に国民の命を守ることが国防というなら、国内の食料・農業を守ることこそが防衛の要、それこそが安全保障だ。(国内資源を最大限に活用する循環農業の方向性を視野に入れつつ)、いまこそ安全保障政策の再構築が求められている。

【その後の動き】
この放送の後、2つの動きがあった。1つは、一部の乳業メーカーが酪農家との取引乳価の引上げを理由にして11月1日から飲用牛乳とヨーグルトなどの一部の乳製品価格の引上げを発表した。

取引乳価が引上げられるのは飲用乳価だけで、酪農家との加工原料乳価の取引価格は据え置かれたままであるため、乳製品の消費者価格を引き上げるのは「便乗値上げ」ではないかとの疑問の声が生産者、消費者からも出たが、「ヨーグルトは加工向け乳価ではなく、発酵乳向け乳価になるので、今回の飲用乳価値上げの対象になっている。」とのことである。

もう1つ。一定の政策支援の方向性も示された。4月に遡って、飲用・加工向け含めた全生乳1kgあたりに対する政府からの補填を、乳牛1頭あたりへの支払いに換算して支給するという政策も含まれているようである。一歩進んだことは評価したい。しかし、その場かぎりの緊急措置でなく、恒久的に、発動基準を明確にした補填の枠組みを整備する必要がある。

「物流停止による世界の餓死者の1/3が日本に集中する」という米国大学の試算も示す通り、世界一飢餓に脆弱な国である現実を直視し、前回コラムでも述べた通り、超党派の議員立法として提案される予定の「地域のタネからつくる循環型食料自給(ローカルフード)法」に加えて、生産者、消費者、関連産業など国民の役割と政府の役割を明記した「食料安全保障推進法」を早急に制定し、発動基準を明確にした数兆円規模の予算措置を導入すべく、「食料安全保障推進財団」としても、1人1,000円からの広範な結集を世の中を変えるうねりにしていきたいと考えている。

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