JAの活動:米価高騰 今こそ果たす農協の役割を考える
商系に撤退の動き、集荷競争に変調 米産地JA担当者に聞く(中)【米価高騰 今こそ果たす農協の役割】2025年10月30日
2025年産米は収量がおおむね良好だが、高温や渇水の影響で品質には地域差が生じている。また、米価の下落懸念が広がる中、集荷競争の様相にも変調が見られる。全国42JAの米担当者に本紙が取材したところ、米価急落への不安と農政への切実な期待が聞かれた。
商系に撤退の動き
米価についての見方を尋ねたところ、19JAの担当者から米価下落への懸念が聞かれた。
「こんな(高い)価格が続くわけないと不安が広がっている」(茨城)、「来年は下がるだろうが、どの程度か予想がつかない。30kg1万円で下落がとどまればいいが、それ以上下がると離農が増える」(広島)など、米価急落への不安は全国の産地から聞かれた。下落時期に関して、「今の価格は半年持てばいい方」(山梨)との見方もあった。
米価の先安観が広がる中、いくつかの産地では商系集荷業者の動きにも変化が出ている。
「商系の動きは春先までは活発だったが、最近連絡が取れない業者もいるようだ。米価が一気に上がり、資金繰りに苦慮して手を引いた業者もいると聞く」(新潟)、「商系業者は当初、概算金より高い単価で集めていたが、少し弱気になったのか勢いが落ちた」(群馬)など、多くの産地で商系集荷業者が撤退ないし後退しているとの情報がある。
商系業者の撤退、後退の原因については、新潟のように「資金繰り」を挙げる声のほか「(米に)過剰感が出て先行きが見通しにくいからではないか」(島根)との見方もある。
飼料用米にも目を
米政策についても意見を聞いた。聴き取り時期の少し前に農相が小泉進次郎氏から鈴木憲和氏に交代したため、新旧大臣への評価や意見が寄せられた。
「需要に応じた生産」を重視する鈴木新農相に対して「やっとまともな人が大臣になった。『はえぬき大臣』だ」(山梨)、「鈴木農相は地域を回っていろいろ話をされてきたので現場に即した政策を期待する」(島根)など期待の声が多かった。
半面、石破茂前首相・小泉前農相が「米増産にかじを切る」と打ち出して3カ月足らずでの「需要に応じた生産」への軌道修正に対しては、「現場は大臣の一言一言に振り回されている。11月は麦をまく時期で作付面積をどうするか農家は悩んでいる」(三重)、「政策がコロコロ変わると、農家も増産するのは怖い」(滋賀)と猫の目農政への苦言もあった。
備蓄米買い入れを
鈴木農相が価格操作のための備蓄米活用を否定したことに対しては「価格にコミットしないというが、備蓄米買い入れはある程度はしてほしい」(群馬)、「暴落は止めて欲しい」(山梨)という切実な声が上がる。
「米を自由に作ればだぶつくので、米農家へのセーフティネットが必要だ。市場で価格が決まるとなると、先行きが不安だ。中山間地も含めた水田全体の政策が必要」(京都)、「価格が下がったとしても農家が継続可能な保証が必要」(和歌山)など、「所得の支え」を求める意見も強い。小泉農相時代から持ち越された課題といえる。
主食米に偏る産地
主食用米が高くなったため、飼料用米から主食用米に転換する農家が増え、2025年産米では飼料用米の作付けが大きく減った。それに関連した飼料用米、耕畜連携についての質問には「飼料用は4分の1に減った。価格をみると正直、やるメリットがない」(群馬)という見方も多い半面、「畜産農家は困った」(三重)、「作期分散のためにもある程度必要」(島根)といった現実も踏まえ、「回復するにはある程度交付金を手厚くしなければ」(岡山)という要望も出された。
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