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シンとんぼ(93)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(3)2024年5月11日

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シンとんぼは令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まり、みどり戦略の大義である「安全な食糧を安定的に確保する」を実現するために、現場は何をすべきなのかを、同戦略のKPIとその有効性や今後の農業に与える影響などをひととおり検証しながら考察を加えてきた。そして行きついたシンとんぼなりの結論が、現在ある技術を正しく活用すれば、新たな技術開発やイノベーションを待たずとも、みどり戦略の大義は達成可能だろうということだった。

そこで、現在みどり戦略対応のために農業現場はどう動くべきなのか、昆虫の分際で持論を展開している。今回は、化学肥料のKPI対策だ。

化学肥料に関するみどり戦略のKPIは「化学肥料使用量の20%削減(2030年まで)、30%低減(2050年まで)」だ。以前述べたように、このKPIも、化学肥料を減らすことがなぜ「安全な食糧を安定的に確保する」ことに結びつくのか国から明確な根拠は示されていないので、いささか消化不良を起こす目標だ。

この化学肥料のKPIを達成しようとする場合、化学農薬のようにリスク換算値に相当するものが存在しないので、単純に化学肥料の土壌への施用量を減らして、化学肥料が減った分の肥料成分を有機質肥料などで補う方法を考えるしかないのだ。

肥料銘柄には、化学肥料の成分量を減らして有機質肥料を添加した有機入り肥料銘柄が増えているので、それを使用するのが手っ取り早い方法だ。例えば、化学肥料100%の銘柄を使用していた場合は、その化学肥料の成分を落として70%にし、その30%減った化学肥料成分に相当するものを有機肥料(30%有機)で補ってできた銘柄に置き換えるだけで、2050年目標を達成できることになる。単純に言えば、地域やJA単位で使用する全ての肥料を化学肥料銘柄から有機入り肥料銘柄に変更すれば目標を達成できるのだ。ただし、そう単純にはいかないのが農業現場の常だ。なぜなら、作物によって必要とする肥料成分量が異なるし、価格面でも有機質入りの銘柄は高価になるので、昨今の農産物価格の低迷を考えるとそのような銘柄変更に耐えられる作物はそう多くないだろう。そうすると、地域や産地、JA単位でできるだけ安価で入手できる有機質肥料をリストアップし、作物ごとにどれだけ投入できるかなど地域・産地・JA単位で検討する必要があるだろう。これを生産者それぞれでやろうとしても、有機質肥料や肥料銘柄の数量確保の点などから行き詰まることがままあるので、このKPI対策を実効性あるものにするためにはJAグループの頑張りに期待するしかないだろう。

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