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【今川直人・農協の核心】営農指導充実の分枝2024年6月10日

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「両輪」の再編成

農協の活動は営農部門、生活部門を両輪とされてきた。生活購買や生活指導と合わせ、農業融資を除く信用と共済が生活関連事業と認識されてきたことが背景にある。双方が「指導事業」を持つことも特徴的である。しかし、信用・共済が経済事業を支える経営の内部構造が変化しつつあり、経済事業が信用・共済を支えているという、もう一面の事業の実体が実感される時代が予見される。そして、その推移のなかで生活指導の信用・共済への包摂、営農指導の課題ごとの分割等の体制再編が進むことが同時に予測される。

営農指導と農業改良普及事業

戦前の産業組合の事業に営農指導はなかった。戦後GHQの指令で営農指導が可能な農協が設立され(1947年)、翌年都道府県の専門職員による農業改良普及制度が創設された。この体制は19世紀後半から農業技術の開発・普及を重視してきたアメリカの影響を色濃く反映している。改良普及事業は、農協・森林組合・漁協との連携を通達に明記している。

試験研究機関や教育機関につながる改良普及事業との連携は、農協の営農指導にとっても重要である。共同による人材育成から事業の共同実施に至る連携の類型化が全国的に見られる。

担い手サポートセンター

JA全中主導で2016(平成28)年4月に全都道府県に「県域担い手サポートセンター」が設置された。都道府県中央会・連合会で構成する共通機構(実働部隊)である。員外・未利用農業法人や大規模正組合員など、農協が単独では対応が難しい大規模経営に対象を重点化して、訪問により個別支援や事業提案を行うことが骨格になっている。

北海道は一戸あたり出資金が百万円を超え、農協は大規模農家の実質的な共同経営体である。その北海道でこの活動が活発である。

営農指導事業費

営農指導事業の大きな課題は費用の安定的な確保である。農協等監督指針は、営農指導や営農に関わる外務活動について、「適切なコスト管理」を求めている。視点はコストの範囲や農業関連事業以外への配賦についての規律などであろう。

2001年農協法改正の主旨は「農協振興」である。営農指導を事業の最初に置いたのは、主旨に合わせて「可能な事業」の中で順序を変更したものである。費用については「適切」以上の方向を示していない。

賦課金は作目の多様化・組合員のコスト意識の高まりから徴収の継続が難しくなってきている。JA全中営農・担い手支援部の指導は、手数料・利用料の適正化に、サービスとして継続して行っている事業例えば記帳代行などの実費徴収を加えている。

静岡市は市内の農協に農家数に応じた補助金を交付している。広がりを期待したい。

なお、政府機関の研究誌が、農業試験場と並んで農業改良普及を担うアメリカの州立大学における、基金造成の動きを報じている(市田知子氏「先進国における農業普及事業の動向」1992年4月『農業総合研究』)。

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