シンとんぼ(123) -改正食料・農業・農村基本法(9)-2024年12月21日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項についてして持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのかを思案を巡らせている。実際の具体的な内容については来年3月に出される予定の「食料・農業・農村基本計画」で明らかとなるだろうから、詳細の検討は後に行うこととし、まずは改正法から国の考え方の方向性を探っていこうと思い、条文の理解を進めている。
今回は新設された第三条および第四条を掘り下げてみようと思う。
第三条は環境と調和のとれた食料システムの確立を主題にした条文で、「食料システムについては、食料の供給の各段階において環境に負荷を与える側面があることに鑑み、その負荷の低減が図られることにより、環境との調和が図られなければならない。」とある。
また、第四条は、多面的機能の発揮を主題にした条文で、「国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等農村で農業生産活動が行われることにより生じる食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能(以下「多面的機能」という。)については、国民生活及び国民経済の安定に果たす役割に鑑み、将来にわたって、環境への負荷の低減が図られつつ、適切かつ十分に発揮されなければならない。」となっており、旧法の第三条に、"環境への負荷の低減が図られつつ"が追加されている。
第三条が食料システムに対して、第四条が水田等農地の多面的機能に対して、環境への調和と負か軽減が謳われている。いずれも、環境に影響を与える可能性のあることに対して、環境への影響を意識して機能を発揮するようにということだ。
ただ、よくわからないのが第四条の多面的機能が環境に与える影響ってなんだろうかということである。条文によると、多面的機能とは"食料その他の農産物の供給以外の多面にわたる機能"と定義されていると読め、例示されているのが、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等となので、どれも農業関係者が何をやったらいいのかよくわからない。農業生産する上で常に環境を意識してやれよ!というのなら食料農業農村基本法の条文としてまだ理解できるだが・・・と思うのはシンとんぼだけだろうか?
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