【消費者の目・花ちゃん】「置き配議論」丁寧に2025年7月18日
国土交通省は、宅配便の「置き配」を標準サービスとする方向で検討を進めています。置き配とは、配達された荷物を玄関前や宅配ボックスなど、事前に指定した場所に置いてもらうことで、配達員と対面せずに荷物を受け取れるサービスです。背景にあるのは、依然として高水準にある再配達率と、それに伴う物流業界の深刻な人手不足、ドライバーの過重労働です。再配達は手間も時間もかかり、業務効率を著しく下げています。そのため、荷物を玄関先などに置いて配達を完了させる「置き配」の普及が急務とされています。
Amazonや楽天市場など大手EC(電子商取引)事業者では、置き配を初期設定にする動きが進み、配送業者も専用バッグやアプリなどで対応を強化しています。再配達が減れば、CO2排出の削減にもつながり、環境面でも大きな効果が期待されています。
しかし、その一方で置き配にはさまざまな課題も存在します。特に問題視されているのが盗難リスクです。置き配された荷物が盗まれてしまった場合、誰が責任を負うのか明確でないケースもあります。さらに、雨風による荷物の汚損、動物による被害、誤配などのトラブルも無視できません。
個人情報保護の観点からも、配達記録の扱いや本人の同意の取り方には注意が必要です。高齢者やインターネットに不慣れな方にとっては、アプリでの設定や確認が負担となる可能性もあります。
置き配の標準化は、物流の効率化や利便性向上という点で大きな可能性を持っています。しかし、それをすべての人に一律で強いるのではなく、多様なニーズに対応できる柔軟な仕組み作りが求められます。標準化と選択肢の共存を目指し、丁寧な議論と配慮を重ねていくことが大切です。(花ちゃん)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(171)食料・農業・農村基本計画(13)輸出国から我が国への輸送の状況2025年12月6日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(88)ジチオカーバメート(求電子剤)【防除学習帖】第327回2025年12月6日 -
農薬の正しい使い方(61)変温動物の防除法と上手な農薬の使い方【今さら聞けない営農情報】第327回2025年12月6日 -
スーパーの米価 前週から23円上昇し5kg4335円 過去最高値を更新2025年12月5日 -
支え合い「協同の道」拓く JA愛知東組合長 海野文貴氏(2) 【未来視座 JAトップインタビュー】2025年12月5日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】『タコ市理論』は経済政策使命の決定的違反行為だ 積極財政で弱者犠牲に2025年12月5日 -
食を日本の稼ぎの柱に 農水省が戦略本部を設置2025年12月5日 -
JAの販売品販売高7.7%増加 2024年度総合JA決算概況2025年12月5日 -
ポテトチップからも残留農薬 輸入米に続き検出 国会で追及2025年12月5日 -
生産者補給金 再生産と将来投資が可能な単価水準を JAグループ畜酪要請2025年12月5日 -
第3回「食料・農林水産分野におけるGX加速化研究会」開催 農水省2025年12月5日 -
新感覚&新食感スイーツ「長崎カステリーヌ」農水省「FOODSHIFTセレクション」でW入賞2025年12月5日 -
(464)「ローカル」・「ローカリティ」・「テロワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月5日 -
【スマート農業の風】(20)スマート農業を活用したJAのデジタル管理2025年12月5日 -
「もっともっとノウフク2025」応援フェア 農福連携食材を日替わりで提供 JA共済連2025年12月5日 -
若手職員が"将来のあるべき姿"を検討、経営層と意見交換 JA共済連2025年12月5日 -
IT資産の処分業務支援サービス「CIRCULIT」開始 JA三井リースアセット2025年12月5日 -
「KSAS Marketplace」に人材インフラ企業「YUIME」の特定技能人材派遣サービスのコンテンツを掲載 クボタ2025年12月5日 -
剪定界の第一人者マルコ・シモニット氏が来日「第5回JVAシンポジウム特別講演」開催2025年12月5日 -
野菜との出会いや季節の移ろいを楽しむ「食生活に寄り添うアプリ」リリース 坂ノ途中2025年12月5日


































