中道改革連合は経済の根本改革を【森島 賢・正義派の農政論】2026年1月26日
●失われた30年からの脱出
衆院選を直前に控え、新党の中道改革連合が発足した。この党は、現政権に代わって、新しい政権を樹立しようとしている。
新党は、何を目指すか。それは、失われた30年からの脱出ではないか。
はじめに、この30年間の様相をみてみよう。下の図がそれである。

この図は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の資料で、この30年間の賃金の推移を見たものである。
この図をみると、日本の経済政策が、目指していたものと違う結果になったことが分かる。目を覆うような、そして、誰が見ても明らかに、誤っていたことが分かる。
●新党はどんな政治をするのか
この経済政策の誤りを、根本にまで遡って考えよう。それは、トリクルダウンという、いかがわしい理論にある。
この理論は、先ず経済を発展させよう、そうすれば、それが原因になって、いわば自然に賃金が上がる、という結果が得られる、というものである。賃上げのための特別な政策は必要ない、というものである。
ここに、根本的な誤りがある。
昔、若者の間で自虐をよそおって歌った歌がある「・・・働け♪我慢せい♪死んだらあの世で食べられる♪♪♪・・・」というものである。死んだ後は分からないが、30年後の今でも、口を開いて待っているが、滴り落ちてこない。
●先進国の歴史的経験に逆らった30年
ここで、古今東西の先進各国の経験をみてみよう。
先進各国は、経済を発展させるために、賃金を低いままにして、搾取を強めることで利潤を増やすことはできないことを、歴史的経験のなかで知った。
そうではなくて、まず、労働者の賃金要求に応える。だが、それだけではコストが上がり、生産を続けられない。だからコスト削減のための技術開発に努める。そうしてコストの上昇を抑えてきた。
このようにして、技術を進歩させ、経済を発展させ、社会を発展させてきた。
つまり、賃金上昇が原因で、経済の発展と社会の発展は、その結果だったのである。
しかし日本は、古今東西のこの歴史の事実と、歴史の法則に逆らって失敗してきた。これが失われた30年である。
●無謀な企み
この原因と結果を入れ替えようとした無謀な企みが、トリクルダウンという、歴史の事実を無視した、いわゆる経済思想なのである。
そうして、この思想が、30年もの長い間、国民を苦難に呻吟させ、経済の発展と社会の発展を妨げてきたのである。
罪は重い。
●経済政策の根本的転換
さて、新党に戻ろう。
新党が、現政権を倒して、新政権を樹立するというのなら、現政権の最も基本にある、トリクルダウンという経済思想を否定しなければならない。そうして、先ず初めに、賃上げを最重要な政策にすることである。
●賃上げを決めるのは労使間の団体交渉
賃上げといっても、実際に賃金上げができるのは、政治ではない。労働組合の労働者と、資本家の代理人である経営者である。両者の激しい団体交渉の結果として、賃金が決まるのである。
政治ができることは、その条件を決めることである。たとえば、労働者の側に立って、最低賃金を上げるとか、資本家の側に立って、労働規制を緩和するとか。
●新党はどうする
新党が政権を奪ったとして、そのとき、どうするのか。
「中道」だから最低賃金は少し上げ、労働規制はやや強化する程度にするのか。
それとも、労働者の側に立って、最低賃金は、せめて先進国の中で最大になるように大巾に上げるのか。労働時間は、せめて先進国の中で最小になるように労働規制を強化するのか。
そうして、日本の経済と社会を発展させるのか。そうした旗を高く掲げて衆院選を争うのか。
衆院選によって、失われた30年からの脱出を期待し、経済の根本改革を期待する国民は、労働者は、農業者は、厳しく見つめて投票するだろう。
(2026.01.26)
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