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食えない木の皮・幹・花【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第380回2026年3月12日

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樹皮、今でも強烈に印象に残っているのは、北海道の屈斜路湖のほとりにある川湯温泉の周囲の木々である。その樹皮が根元から2メートルくらい剥がされて丸裸になっているのである。かわいそうになるくらいだ。
 エゾシカの食害だという。
 餌のなくなる冬になると樹皮を食べに来るのだそうである。知床半島でもこうした木々が各所で見られた。
そうなのである、樹皮も動物の食料なのである。ウサギは冬にタラの木の樹皮を食べる。しかし、他に餌のなくなる冬期間だけ食べるのだからあまりおいしくないのだろう(樹皮はもともと死んだ細胞組織の集まりだからだろうか)。
言うまでもなく人間も食べない。もちろん、杉の樹皮のように屋根葺きに使ったり、コルクの材料にしたり、燃料にしたり等々で人間は利用させてもらってきたが。
しかし、食べたこともあったようである。

 私の子どものころ(昭和初期)、明治初期に生まれた祖父がこんなことを言ったことがある。
 凶作の時に松の皮と稲わらを混ぜて何日間も臼でついて粉にし、それを団子にした餅を食べたものだ、「松皮餅(まつかわもち)」と言ったが、つくるのに手間もかかり、うまくもなかったと。祖父の年齢からしてきっと明治末の大凶作のときの話だろう。いつ頃の季節、どのようにして餅にして食べたのか、どんな味がしたのか等々、詳しく聞いておけばよかったと後悔しているが、この食べ方は東北の他の地域にもあったらしい。また外国にもあり、不作時にパンに松の皮を混ぜて食べたとのことである。
しかしそれは特殊事例、普通は食べない。木質で固く、栄養価や消化率も低いからだろう。

 この樹皮に包まれている木の幹や枝はましてやそうだ。
 いうまでもなく幹は木の主要構造部分であり、根に直接つながって支えられながら末端の枝葉、実までの全体を支える役割を持っているという性質上、木質化(細胞壁にリグニンが沈着)していてきわめて堅い。葉や実を支える枝もそうだ。
それに加えて養分や水分を吸収する木の根となるともっと頑丈である必要がある。虫や獣に食べられないように、つまり食べてもうまくないようにしなければならない。当然人間も食用にしたくともできないことになる。

それでは樹木に咲く花はどうか。これは柔らかい。食べようと思えば食べられそうである。しかしそれを動物が食べるという話はあまり聞いたことがない。なぜなのだろうか。
こんな話を聞いたことがある。
山形県天童市、将棋の駒の大産地として有名であるが、この町の中心部に舞鶴山という小さな山がある。そこは桜の名所であり、満開のころにはその桜の花の下で「人間将棋」が開催され、多くの観光客が集まる。1980年代のことではなかったろうか、たまたま春早く天童を訪れたとき、同行してくれた県庁の職員の方がこんな話をしてくれた。「今年の舞鶴公園の桜は咲かないようだ、冬にウソという渡り鳥が大量に飛来して公園の桜の花芽を全部食い尽くしてしまったからだ」と。驚いて「ウッソー」と言ったら、「いい洒落だ」と大笑いになったが、そんな「ウソのような話」は初めて聞いた。ウソはソメイヨシノの花芽が大好きなのだそうだが、今も全国各地で被害をもたらしているのだろうか、最近聞いていないのだが。

 このように花芽については鳥の食害の話をたまに聞く、しかし開花した花の食害はあまり聞かない。ウソも開花した桜の花は食べないようである。にもかかわらず花芽を食べるのは、小さくて食べやすく、しかも栄養がたっぷり詰まっているからなのか、早春は他においしい食べ物が少ないからなのかわからない。

鳥だけではない、獣が食べるという話も聞いたことがない。虫もそうだ。葉をむしゃむしゃ食うように虫が花びらを食べるという話も私は聞いたことがないのである。
もし本当にそうだとすれば、なぜ開花した木の花を食べないのだろうか。食べてしまったら主食の木の実が食べられなくなってしまう、だから食べないのは当たり前かもしれない。といっても動物はそれがわかっているわけではない。とすると、樹木の側が食べられないようにまずくしているのではなかろうか。虫についていえば、花がなくなっては蜜が吸えなくて自分たちも生きていけなくなるので、花を食べないようにしているのかもしれない。

人間も木の花は食べない。花を食べるなどと言ったら笑われる。草本性植物の花もそう思われてきたようで、かつては菊の花を食べるなどと仙台で言ったら笑われたものだった。花は観賞するもの、実になってから食べるものという観念があったのだろう。
 それに木の花はあまりおいしくもないのかもしれない。
しかし、桜の花は飲食の対象になっている。次回述べさせてもらおう。

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