いちごのハダニ類 東海・南九州の一部地域で多発 病害虫発生予報第10号 農水省2026年3月12日
農林水産省は3月11日、令和7年度病害虫発生予報第10号を発表した。
今後の主要な病害虫の発生予報によると、野菜・花きでは、いちごのハダニ類の発生が、東海及び南九州の一部の地域で多くなる予想。果樹カメムシ類の発生が、中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想されている。この他、トマトのコナジラミ類等、地域によっては多くなると予想されている病害虫がある。
各作物の詳細は以下の通り。
◎野菜・花き
野菜・花きで各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫と地域

◎いちご
<ハダニ類>
ハダニ類の発生が、東海及び南九州の一部の地域で多くなると予想。この虫は発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、同虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定してください。また、ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。
<うどんこ病>
うどんこ病の発生が、東海及び北九州の一部の地域で多くなると予想。大分県から注意報が発表されている。同病は多発すると防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。同病は薬剤耐性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定を。
また、同病は、窒素肥料の過多や、葉が混み合うと多発しやすくなるため、適切な栽培管理を実施すること。
◎トマト
<コナジラミ類>
東海及び九州の一部の地域で多くなる予想。この虫は発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、同虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定を。また、ほ場内及びその周辺の雑草の防除に努める。
同虫の密度抑制のために、ほ場内及びその周辺の雑草の除去を実施する。
◎果樹・茶
果樹・茶で各地の平年値より発生が「多い」・「やや多い」と予想される病害虫及びその地域

◎果樹共通
<果樹カメムシ類>
中国及び北九州の一部の地域で多くなると予想。この虫の飛来状況は地域や園地により異なり、果樹カメムシ類の被害を防止するためには、飛来初
期の防除が重要。多発生年の令和6年においては、ほ場の見回り頻度が少なかったため、飛来に気付くのが遅れ、被害が生じた事例が報告されている。都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、園内の観察をきめ細かく行い、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除を実施すること。果樹カメムシ類は薄暮期から夜間を中心に活動するため、夕方の薬剤散布が効果的。
◎もも
<せん孔細菌病>
同病は、春期に枝に形成される春型枝病斑(スプリングキャンカー)が伝染源となり、降雨や風により発生が助長される。前年の発生が多かった地域では、当該病斑が形成されやすい環境となっているため発生が多くなるおそれがある。園内を注意深く観察し、発病枝が確認されたら確実に除去すること。
◎果樹・茶共通
果樹や茶では、せん定作業に合わせて、感染落葉やり病部を除去し、速やかに園内土中に埋設するか、園外に持ち出すなど、適切に処理すること。
また、ハダニ類及びカイガラムシ類の害虫の発生が多かった園地では、樹の粗皮削りやマシン油の散布による防除を実施する。茶のカンザワハダニの発生が多かった園地では、秋整枝後の休眠前(秋冬期)又は休眠明け(早春期)に薬剤散布等の防除を実施する。
◎水稲
<斑点米カメムシ類>
昨年は春から気温が高く推移したため、平年より発生量が多くなった。気象庁の発表によれば、今春(3~5月)も全国的に気温は高いと予想されていることから、斑点米カメムシ類が早期に活動を始め、発生量の増加につながるおそれがある。このため、発生状況を注視するとともに、発生量に応じて、適時・適切に防除出来るよう準備すること。
また、水田周辺の除草により、斑点米カメムシ類の発生量を抑制でき、地域一斉で行うと効果的とされている。地域一斉の除草についても検討を。
<イネカメムシ>
斑点米だけでなく、不稔被害も引き起こす斑点米カメムシ類の一種で、近年、発生の増加が報告されてる。イネカメムシによる不稔を防止するには、他の主要な斑点米カメムシ類と異なり、出穂期に防除を行うことが重要。不稔を防止するため、過去から発生量が多いまたは発生量が増加傾向の地域では、出穂期に防除できる防除計画を立てること。
<スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)>
今冬(12月~2月)の気温が全国的に高く、多くの個体が越冬しているおそれがある。一層の被害の発生を警戒する必要がある。今春の被害を抑えるため、移植前に取水口・排水口にネットや金網を設置し、スクミリンゴガイの侵入を防止すること。また、移植時は薬剤散布を実施し、移植後は水深を4cm(理想は1cm)以下に維持する浅水管理を実施する。
スクミリンゴガイは、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散するおそれがあることから、発生ほ場で使った後は泥をよく落としてから移動させるよう心がけること。なお、一旦定着したスクミリンゴガイを根絶することは困難なこと、また周辺の水田にも悪影響が及ぶことから、除草目的であっても、未発生地域や被害防止に取り組む地域でのスクミリンゴガイの放飼は行わない。
<トビイロウンカ>
その年の気象条件や飛来量によっては大きな被害を引き起こす。同虫による被害の発生が懸念される地域では、効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施についても検討を。
<縞葉枯病>
ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病であり、経卵伝染するため、同虫を対象とした防除を実施することが重要。近年、本虫の発生が増加傾向にある地域では、越冬量を抑制するため、冬期間中にイネ科雑草の除去及び再生株(ひこばえ)のすき込みを行うことが効果的。未実施の地域では実施を検討する。
また、近年、同ウイルスを保毒している本虫の割合が高まっている地域では、育苗箱施用剤によ
る防除の実施についても検討を。
<いもち病、もみ枯細菌病、ごま葉枯病、ばか苗病等>
昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ごま葉枯病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に実施し、健全な苗の育成に努めること。薬剤感受性の低下がみられる場合があるため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、効果の高い薬剤を選定し種子消毒を実施する。また、塩水選や温湯消毒といった物理的防除を実施する場合には、消毒効果を確実に得られるように、病害虫防除所等が示す手順・方法に沿って適切に実施する。
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