農作業事故をVRで体験 東京都立農業高校で農作業安全授業を開催 JA共済連2024年7月24日
JA共済連は7月12日、東京都立農業高等学校(東京都府中市)で農作業安全授業を開催。農作業事故を当事者の視点から疑似体験する「農作業事故体験VR」を活用し、農作業事故の危険性や農作業事故を未然に防ぐために必要な知識や対策について、都市園芸科、緑地計画科に在籍する一年生計70人を対象に講義を行った。
脚立、刈り払い機を用いた実習
農作業事故と必要な対策について学ぶ今回の講義には、JA共済連 農業・地域活動支援部の山﨑職員が登壇した。
農業における死亡事故の発生件数は就業者10万人あたり11.1件発生しており、これは建設業の約2倍で全産業平均の約9倍。農作業事故の未然防止は喫緊の課題となっている。JA共済連が共済金支払データを用いて事故状況を分析したところ、負傷事故は年間約6万4000件、1日あたり約180件発生していると考えられる。農作業事故が発生する要因は、①場所や天候などの「環境」、②農機具や生物などの「物」、③作業者である「人」で、ちょっとした油断や機械・道具の欠陥、条件の悪い環境など3つの要因が重なると事故が発生しやすい状況が生まれる。
事故データを分析した結果、特に農機具や生物などの「物」は、多くの事故の原因、かつ重大事故につながりやすいことが明らかになった。授業では、「農作業事故体験VR」で重大事故につながりやすい場面を再現。授業を通じて、農業は他の産業に比べて事故の発生率が高いという事実を認識し、安全に向けた意識を持つこと、またどのような場面が危険であるのかを知り、対策を講じることが農作業安全につながることを伝えた。
「農作業事故体験VR」の授業では、「脚立 転落事故」「刈払機 刃との接触事故」「乗用型トラクター 転倒事故」のうち、2つの農作業事故をVRで疑似体験。事故発生のシーンでは、生徒から「やばい!」、「危ない!」など声もあがり、実習で学んだことをVRによる疑似体験で"自分ごと化"した。また、農作業事故体験動画を正面スクリーンに投影し、参加者全員でその危険性と対策の重要性を共有した。
「農作業事故体験VR」を体験する生徒
「農作業事故体験VR」を体験した生徒は、「言葉で聞いただけでは伝わらない農作業事故の危険性を今回のVR体験で身をもって体感できた」「映像がとてもリアルで360度見渡せるため、まるで自分が映像の中の世界で実際に体験しているように思えた」など感想があった。
このほか、脚立や刈払機による農作業を同校の中里友紀教諭が実演。生徒は農作業中における危険がどんなところに潜んでいて、それに対してどう対処をすべきか、実演を見て考えた。発表では、雨天時や足場が不安定な状態等での脚立を使った農作業時に潜む危険、周囲に石などがあった際等の刈り払い機を使った農作業時に潜む危険に着目し、具体的な対処方法まで生徒達が自身の意見を述べた。
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