29産地品種が特A 最高得点は「森のくまさん」 24年産米食味ランキング2013年2月15日
一般財団法人日本穀物検定協会(穀検)は2月14日、24年産米食味ランキングの結果を発表した。全国44道府県から128産地品種を試験し、過去最多の29産地品種が特Aランクとなった。
◆全体の7割がA以上
24年産米は特Aが29、Aが62と、全体の7割以上がAランク以上を取得した。23年産米がそれぞれ26、54で、Aランク以上の割合が全体の5割ほどに留まっていたのに比べると、全体的に良食味の米が採れたシーズンだったと言える。
特Aを取得したのは前年より3増えて29産地品種(下掲)。このうち、前年から引き続き特Aを取得したのは、前年初出品で特Aを取得した北海道「ゆめぴりか」、平成元年の特A設定以来24年連続で特Aを取得している新潟魚沼「コシヒカリ」など21産地品種。前年から5産地品種がランクを落とし、新たに8産地品種がランクを上げた。
ランクを下げたのは宮城県中「ひとめぼれ」、山形「ひとめぼれ」、福島会津「コシヒカリ」、同中通「ひとめぼれ」など東北の米が多く、「例年に比べ寒暖の差が少なかった」(穀検)ことなどを理由に挙げた。
特Aランクを取った29産地品種のうち、最高得点は熊本「森のくまさん」。22年以来3年連続の特Aで、今年初めて最高得点となった。最高得点をとった理由について「何よりも生産者の肥培管理や適期作業などの努力。それと気象条件が産地に有利に働いたことが大きいだろう。熊本県は地域の土壌と気候にあった品種開発をすすめており、そうした産地全体の努力も大きなポイントだ」(山本徹穀検会長)と分析している。
得点上位は、次いで熊本城北「ヒノヒカリ」、佐賀「さがびより」、栃木「なすひかり」となった。


(写真)
左は食味試験の検査風景。20人の試験官が官能試験を行う。右は試験に使う採点表と検体サンプル。
◆福井が初特A、石川は21年ぶり
品種別では、コシヒカリが11産地で最多。次いで「ヒノヒカリ」、「ひとめぼれ」が3産地。県別では新潟が魚沼、岩船、中越、佐渡(品種はすべて「コシヒカリ」)の4産地品種で最多だった。
特Aのなかで注目なのは、福井「コシヒカリ」、同「ハナエチゼン」の2産地品種が、福井県としては初の特Aを取ったこと。そのほか、石川県が「コシヒカリ」で平成3年以来21年ぶりの特A。熊本「くまさんの力」は、今年初出品で特Aとなった。
また、ランキングに申請のあった128産地品種とは別に、新品種など話題性の高い6産地品種を参考品種としてテストしたところ、鳥取県中(三朝)「きぬむすめ」、大分「つや姫」の2産地品種が特Aクラスだと認定された。
◇
特Aを取得した29産地品種は次の通り。
▽北海道・全道「ななつぼし」(3年連続)
▽北海道・全道「ゆめぴりか」(2年連続)
▽岩手・県南「ひとめぼれ」(9年連続)
▽宮城・県北「ひとめぼれ」(9年連続)
▽秋田・県南「あきたこまち」(10年ぶり)
▽山形・全県「コシヒカリ」(4年連続)
▽山形・全県「はえぬき」(4年連続)
▽山形・全県「つや姫」(3年連続)
▽福島・会津「ひとめぼれ」(4年連続)
▽栃木・県北「なすひかり」(3年連続)
▽新潟・魚沼「コシヒカリ」(21年連続)
▽新潟・岩船「コシヒカリ」(7年連続)
▽新潟・中越「コシヒカリ」(2年連続)
▽新潟・佐渡「コシヒカリ」(8年連続)
▽石川・全県「コシヒカリ」(21年ぶり)
▽福井・全県「コシヒカリ」(初)
▽福井・全県「ハナエチゼン」(初)
▽山梨・峡北「コシヒカリ」(3年ぶり)
▽長野・南信「コシヒカリ」(初)
▽三重・伊賀「コシヒカリ」(2年連続)
▽京都・丹後「コシヒカリ」(2年連続)
▽奈良・県北「ヒノヒカリ」(3年連続)
▽福岡・全県「元気つくつ」(2年連続)
▽佐賀・全県「さがびより」(3年連続)
▽長崎・全県「にこまる」(5年連続)
▽熊本・城北「ヒノヒカリ」(5年連続)
▽熊本・全県「森のくまさん」(3年連続)
▽熊本・全県「くまさんの力」(初)
▽大分・全県「ヒノヒカリ」(2年ぶり)
(関連記事)食味ランキング
・お米アドバイザー、受講者は218人に Facebookを開設 (2012.12.11)
・米の食味ランキング 特A産地の取り組み事例が一冊に (2012.12.07)
・米の食味ランキング 試験11月から開始 日本穀物検定協会 (2012.10.31)
・過去最高の26産地品種が特A 23年産米食味ランキング (2012.02.09)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農作物への被害に注意 愛知県2025年11月5日 -
農林水産物・食品の輸出額 1兆2000億円 1-9月 15.1%増2025年11月5日 -
米生産 現場は離農増を懸念 経営環境の安定化が急務 食糧部会2025年11月5日 -
コシヒカリ5kg5421円に 新米出回り「高値」拍車 10月の東京区部2025年11月5日 -
「愛ある農政」を求めて【小松泰信・地方の眼力】2025年11月5日 -
【異業種から見た農業・地域の課題】小さい農家も含めて守る発想が大事 地方創生は人材から 元日本生命・坂本博氏に聞く2025年11月5日 -
11月15日の農協研究会開催迫る 「准組合員問題にどう向き合うか」 参加者を募集2025年11月5日 -
JA貯金残高 107兆2325億円 9月末 農林中金2025年11月5日 -
ジビエを食べたい!買いたい!「全国ジビエフェア」開催 農水省2025年11月5日 -
鳥取県産梨「王秋フェア」 直営飲食店舗で11日から開催 JA全農2025年11月5日 -
宮崎県産ピーマン「グリーンザウルス」×【推しの子】コラボパッケージで販売開始 JAみやざき2025年11月5日 -
JAよこすか葉山の直売所から直送「すかなごっそ 季節の野菜セット」販売中 JAタウン2025年11月5日 -
【人事異動】日本製紙(12月1日付)2025年11月5日 -
相鉄沿線で街なか装飾追加、JR原宿駅で大規模屋外広告 2027年国際園芸博覧会協会2025年11月5日 -
第1回「リサイクルテック ジャパン」に出展 サタケ2025年11月5日 -
農業機械の新製品3機種を発表 2026年より順次発売 クボタ2025年11月5日 -
佐賀県太良町と包括連携協定を締結 タイミー2025年11月5日 -
「第66回下郷農協まつり」に出展 グリーンコープ生協おおいた2025年11月5日 -
「横浜地産地消月間キャンペーン」はっしーおすすめ賞品も 横浜市2025年11月5日 -
未来のアグリ「クマ対策支援チーム」を創設2025年11月5日


































