富士山、山開きの日を「金芽米の日」に2013年6月25日
カンボジアの首都プノンペンで開催されたユネスコ世界遺産委員会は6月22日、日本が推薦していた美保の松原を含む「富士山」の審査を行い、「信仰の対象と芸術の源泉」と評価し、世界文化遺産登録を決定した。
◆無洗米で水質・水量保全
富士山の主要登山道である富士山吉田口ルートの旅館などで組織する、富士山吉田口環境保全推進協議会では、念願だった富士山の世界文化遺産登録を記念し、昨年に引き続き、富士山の山開きの日である7月1日を「金芽米の日」に制定した。
7月1日当日は、富士山麓の環境保全と、登山者の健康を祈念し、富士山吉田口ルートに在るすべての山小屋で、山梨県産コシヒカリを使用した金芽米ご飯が提供される。
富士山吉田口環境保全推進協議会では、長年に亘り山梨・静岡両県や関係市町村と協力し、富士山の環境保全のために様々な取り組みを行ってきた。
その中の一つが、水が貴重な富士山で水量・水質をはじめ水の生態系を保全していくことだ。登山者や山にかかわる総ての人が、主食として消費するコメに、無洗米を採用することで、水環境を守っていくことが出来る。
無洗米の採用で、確実に節水が出来ることや、コメのとぎ汁流出により発生する生態系バランスの崩壊を抑制出来ることから、約16年前の導入以来、徐々に無洗米「金芽米」採用の輪が広がっていった。
また、一部の山小屋では、登山者や山小屋で従事する人々の健康面に配慮し、無洗米の中でも栄養価が高いという特長がある「金芽米」を提供するなど、お米・ご飯を通じて自然環境や関係者への配慮を行ってきた。
◆富士山ポスターのプレゼントキャンペーンを実施
昨年の富士山吉田口からの登山者数は、夏山シーズンだけで24万6616人を記録したが、富士山が世界文化遺産に登録されたこともあり、今年はさらに多くの登山者が予想されている。
同協議会では、年々増加する登山者のために、環境配慮型トイレの整備、週末の予約制導入、AEDの配備などを進めているが、世界文化遺産登録を契機に、官公庁・関係自治体・団体と共同し、富士山の水と緑を守り楽しく安全な登山が出来るよう、次の取り組みを推進する。
[1]昨年に続き山開きの日である7月1日を「金芽米」の日に制定。地産地消の配慮から山梨県産コシヒカリの金芽米ご飯を総ての山小屋で提供する。
[2]通算5作目となるPRポスター(右上)を作成し、各山小屋や売店施設、役所、公共施設、道の駅などに掲示し告知していく。
なお、ポスターは例年好評で要望も多いため、今年は一般の人にもプレゼントされる。同協議会と長年協力関係にある東洋ライス(株)のホームページでプレゼントキャンペーンが実施されている。
(関連記事)
・太平洋横断ブラインドセーリングを金芽米が応援(2013.06.21)
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