米国産未承認GM小麦で政府に質問状 生活クラブ2013年7月23日
生活クラブ生協連は、未承認の遺伝子組換え小麦が米国オレゴン州の農地で見つかった件で、「未承認遺伝子組換え小麦が日本に入ってこないよう厳しい対応を求める」とする公開質問状を内閣総理大臣と農林水産大臣あてに7月16日提出した。
すでに報じられているように、米穀農務省は5月29日にモンサント社が2005年まで実験栽培を実施した除草剤耐性小麦がオレゴン州の農地で発見されたと発表しているが、日本ではGM小麦の流通は許可されておらず「今回の発表は、食に対する安全性を脅かすものとして、多くの国民が懸念」しているとし、「未承認の遺伝子組み換え小麦の混入は、決してあってはならない」との立場から要旨以下の質問を行い7月31日までに回答するよう要求した。
◇
質問の要旨は以下の通り。
1.農林水産省発表の「輸入麦の入札結果の概要」(平成25年6月25日)によると、「米国オレゴン州において、遺伝子組換え小麦が発見されたとの米国政府の発表(現地時間5月29日)を受けて、念のため、5月30日以降、オレゴン州で生産される小麦で我が国へ輸入される可能性がある米国産ウエスタン・ホワイト(WW)の入札については、暫定的に取り止めている」とあるが、米国産のWW以外の小麦(DNS:ダーク・ノーザン・スプリング、SH:セミハード)については、これまでどおり何の制限もなく輸入されているのか。輸入を停止している小麦の品種・産地を、また入札取り止めをWWに限定しているのであればその理由を。
2.モンサント社の当該の除草剤耐性小麦は、パン用の硬質春小麦で、米国内ではオレゴン州に限らず、合計16州でGM小麦の試験栽培が行なわれたと聞いている。米国産のWW(軟質冬小麦)の輸入を止めるだけでは、未承認のGM小麦が日本の市場に入ってくるのを防ぐには不十分と考える。これについて見解を。
3.7月5日の農林水産省のプレスリリースには、2012/13年産の米国産小麦(流通在庫分)について、全銘柄を対象としたサンプル調査を実施したとあるが、銘柄がWWに限定されなかったことは適切であったと評価する。一方で、7月3日付の各検疫所長にあてた「平成25年度輸入食品等モニタリング計画」の実施について(米国産小麦のMON71800)には、「米国産小麦を対象として、管理室から別途指示する対象船舶について検査を実施する」とあるが、。今後のモニタリングについても全銘柄を対象とすべきと考える。これについての見解を。また、輸入前の検査についても全銘柄を対象とし、未承認小麦が日本に入ることを確実に防ぐ必要があると考えるが、これについても見解を。
4.米国農務省のQ&A(13年5月)によると、モンサント社の当該のGM小麦は米国食品医薬品局の安全性審査を04年に終えており、種子や穀物に微量の混入が見つかったとしても米国農務省は回収などの措置はとらないとしている。しかし、未承認GM作物の流通は、日本では許されていない。このような状況のもとで、この未承認GM小麦が日本の市場に入らないよう、日本政府がどのような対応をとるのか。今年4月13日、米国、カナダ、オーストラリアなど6か国が署名した「遺伝子組み換え技術の推進に関する共同声明」には、未承認のGM作物の混入に対処するための国際的ルール作りに協調して取り組むことが書かれているが、日本政府は、未承認のGM作物の流通を許さない立場を貫いてください。
5.農林水産省のホームページ(フロントページ)で、定期的な情報提供を。
(関連記事)
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