GMナタネの繁殖・駆逐なし 農水省が実態調査2013年4月27日
農水省は4月23日、平成21?23年の3年間の国内の「遺伝子組換え植物実態調査結果」を公表した。遺伝子組み換え(GM)セイヨウナタネは、輸入港周辺で輸送中にこぼれ落ちたとみられる種の生育が認められたものの、すべてが単体での生育に留まっており、繁殖は認められなかった。
◆生物多様性への影響なし
この調査は、GM植物による在来種への影響をなくすよう取り決めた国際条約「カルタヘナ法」に基づき、18年からスタートした。20年までの3カ年の取りまとめでも今回とほぼ同じ結果が出ていることから、農水省では「GM植物が在来種を駆逐して繁殖したり、近縁の種と交雑してGMが拡大するなどの可能性は低い」として、生物多様性への影響はないと結論づけている。
今回の調査では、セイヨウナタネや、その種子が混入する可能性がある飼料用トウモロコシを輸入している全国18港で、半径5km以内のセイヨウナタネ、カラシナ、在来ナタネの生育を調査した。
3年間合計で12港234カ所でGM体が発見されたが、在来種と交雑した事例はなかった。また、3年連続でGM体が発見された港周辺でも、毎年発生場所が異なっていたため、特定の場所に定着している種はないと判断している。
◆千葉で年々増加 河川敷での拡大懸念
3年間で一度もGM体が発見されなかった港が6港あった一方、千葉、四日市、博多など多くのGM体が発見された港もある。
このうち、四日市、博多については食品、化学、飼料、製粉など特定の工場周辺で著しく発見が多いことから、トラックでの運搬や積み降ろしなどの過程でこぼれ落ちたものが定期的に生育していると考えられる。
一方、年々発見数が増えているのが千葉だ。21年度は8カ所だったが、22年度12カ所、23年度22カ所と増えている。しかし農水省では、「非GMのセイヨウナタネも増えており、セイヨウナタネ全体の生育数に対するGMの割合が突出して高まっているわけではない。複数年にわたる変動の中の一時的なもの」と断定している。
ただし、23年度にはそれまで生育が発見されなかった河川敷周辺7カ所で発見されたことから、「川の流れによって種子が運ばれることもある。河川敷周辺での生育分布の推移を注視する必要がある」との懸念を示している。
農水省では、セイヨウナタネの主な輸入元であるカナダでは、セイヨウナタネの作付の94%がGMとなっていることから、「今後も調査を継続する」方針だ。
(関連記事)
・【ブックガイド】遺伝子組み換え食品の真実(2013.04.10)
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