【浜矩子が斬る! 日本経済】平和と経済の関係 人権侵す戦争とは乖離2026年3月19日
とんでもない中東戦争が勃発してしまっている。日本政治におけるにわか国会解散と選挙突入には大義が無かったが、それをはるかに上回る大義無さのなかで、アメリカが突如の暴挙に出た。確かに、イランの弾圧政治には長らく重大な問題があった。それを何とかすることは、地球的な課題だったとも言えるだろう。だが、その人権侵害を打ち破ることが目的だったのであれば、もっともっと、正統性が誰の目にも明らかな形で打って出るべきだったろう。
エコノミスト 浜矩子氏
「戦争を終わらせるための戦争」という言い方がどれほど空しくて危険なものであるかは、第一次大戦の惨劇の中で、いやというほど歴史上に刻み込まれた。それをドナルド・トランプ政権の中の誰も知らないのだろうか。その記憶をよみがえらすことが出来る人々を、トランプ陣営は、その内部から全て排除してしまったようだ。どれほど多くの知識と歴史観あるプロたちを、チーム・トランプは大量解雇して来たか。それがメディア上で取り沙汰されている。
経済活動は人間の営みだ。人間に固有の営みである。経済活動に携わる能力を持っている生き物は、人間しかいない。人間がそこに存在しなければ、いくら次第に「人間度」を高めてるAIたちも、経済活動の主役にはなれないだろう。
人間が主役である経済活動は、人間を幸せに出来なければいけない。人間を不幸にするようであれば、経済活動はその名に値しない。人間が不幸になるのは、どういう状況においてか。それは、人間が人間であることの基盤であり基本であるところの人権を侵害される場面においてである。人間を幸せにすることが使命である経済活動は、人権侵害を侵さないことが絶対的要件だ。基本的人権の本源的守り手であることこそ、経済活動に託された役割なのである。
この役割を経済活動が果たせるためには、何が必要か。それは平和である。それは戦争というものが無い状態が、全世界的に保持されることである。戦争は、間違いなく人々を不幸にする。だから、人間を幸せにしなければならない経済活動と、戦争とは完全に相いれない。そのことは、戦時下の経済がどうなるかをみれば、歴史的にも今日的にも明々白々だ。ウクライナにおいて、ガザにおいて、ヨルダン河西岸において、中東全域において、経済活動は経済活動として機能していない。そのことが、いかに人々を悲惨な状況に追い込んでいるか。
繰り返し申し上げたい。人間を幸せにすることが使命である経済活動は、基本的人権の守り手であることが、その出発点だ。そして、基本的人権の最も基礎的な部分を形成するのが、生存権である。生存すること、すなわち生きながらえることが出来る権利。これぞ、万人に保障されているべき基本的人権だ。
戦争ほど、この人権の基礎を脅かすものはない。したがって、経済活動と戦争は根底的な意味合いにおいて両立することが出来ない。世に「戦争特需」というような言葉がある。まさか、この言葉を振りかざそうとする人々が今の日本にいるとは思いたくない。しかしながら、どうだろう。現行法制下において、自衛隊をホルムズ海峡に派遣することは出来そうもない。しかしながら、武器輸出に関する規制を緩和すれば、防衛産業景気が到来するではないか。景気浮揚効果だけではなく、日本の技術革新にも寄与するではないか。そんなことを言い出す向きがあるかもしれない。そういう流れが怖い。
平和がなければ、人権は守られない。人権が守られなければ、人間は幸せでは有りえない。人間を幸せにすることが使命である経済活動は、その本源において平和を前提としている。戦争が発生する余地のある世界において、経済活動はその使命を全う出来ない。このことを、平和の国である日本が、世界に対して今こそ声を大にして訴えるべきだ。
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