水田政策「万全な予算の確保」を 萬歳会長2013年11月26日
JA全中の萬歳章会長は11月25日、政府与党が平成26年以降の水田農業政策を明らかにしたことに対する談話を発表した。
談話では、経営所得安定対策の見直しについては、新たな直接支払制度の具体化・法制化が持続可能な農業・農村の実現に向けた第一歩になるとの期待を述べている。
一方で、直接支払交付金の減額、日本型直接支払制度の措置、飼料用米対策などの強化については、「現場の取り組みや定着状況をふまえて、新たな政策が機能するためには、産地づくり交付金を含めて万全な予算の確保が必要不可欠」だとして、26年度予算編成に向けた、さらなる取り組み強化を訴えている。
また、生産調整については、「『減反廃止』という誤認に基づく報道」で現場に不安が生じているが、政府が定めた方向性は「行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等をふまえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じ生産」できるようにすることであり、そのためには「水田フル活用や地域の担い手づくりなど、現場で円滑な対応ができるよう、取り組みをすすめていく必要がある」としている。
◇
「水田農業政策の見直しに関する談話」(全文)
萬歳章・JA全中会長
本日、自民党・公明党において、連日連夜、生産現場の実態をふまえて議論した日本型直接支払制度や経営所得安定対策の見直しを含む26年度以降の水田農業政策が明らかとなった。
経営所得安定対策の見直しについては、昨年末の政権交代をふまえ、制度の見直しが検討されてきたが、我々JAグループがかねてより要望してきた「農業・農村の多面的機能に着目した新たな直接支払制度」が具体化され、法制化に向けた取り組みがなされることは、持続可能な農業・農村の実現に向けた第一歩となるものである。
米の直接支払交付金の減額とあわせ、日本型直接支払制度の措置や、飼料用米対策等が強化されたが、今後、現場の取り組みや定着状況をふまえて、新たな政策が機能するためには、産地づくり交付金を含めて万全な予算の確保が必要不可欠であり、末の26年度予算編成に向け、さらなる取り組み強化が必要である。
米の生産調整については、「減反廃止」いう誤認に基づく報道などにより、生産現場に大きな不安が生じることとなったが、新たな政策の定着状況をみながら、5年を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等をふまえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じ生産が行える状況になるよう、行政・生産者団体・現場が一体となって取り組んでいくとのとりまとめとなった。生産現場の実態・実情を十分ふまえた上で、この取り組みの前提となる水田フル活用や地域の担い手づくりなど、現場で円滑な対応ができるよう、取り組みをすすめていく必要がある。
今後、JAグループは、消費者・国民の信頼にこたえ、米の安定供給や食料自給率の向上など、地域農業の持続的発展に向け、組織をあげて引き続き取り組む所存である。
平成25年11月25日
全国農業協同組合中央会
会長 萬歳章
(関連記事)
・生産調整の廃止と「主作」栽培を強調(13.11.25)
・米の直接支払い交付金7500円を提示 与党大詰め調整(13.11.21)
・【クローズアップ農政】水田農業改革、計画生産を基本に 安藤光義・東大准教授に聞く (13.11.21)
・農政の大転換、現場に周知を 萬歳全中会長 (2013.11.19)
・経過期間は単価固定を JAグループ重点要請 (2013.11.18)
重要な記事
最新の記事
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】トマト、ミニトマトに「トマトキバガ」県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年7月10日
-
【特殊報】メロンにCABYV 県内で初めて確認 茨城県2025年7月10日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ増産こそが自給率を向上させる~輸入小麦をコメで代替すれば49%2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】地道な努力 必ず成果 経済事業部門・愛知県経済連会長 平野和実氏2025年7月10日
-
【第46回農協人文化賞】全ては組合員のため 経済事業部門・宮崎県農協副組合長 平島善範氏2025年7月10日
-
ジネンジョとナガイモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第348回2025年7月10日
-
【2025国際協同組合年】SDGsと協同組合 連続シンポジウム第4回2025年7月10日
-
備蓄米 コンビニの7割で販売を確認 7月9日時点 農水省調査2025年7月10日
-
【人事異動】農水省(7月11日付)2025年7月10日
-
水稲の斑点米カメムシ類 多発に注意 令和7年度病害虫発生予報第4号 農水省2025年7月10日
-
【JA人事】JA加賀(石川県)新組合長に道田肇氏(6月21日)2025年7月10日
-
【JA人事】JA新みやぎ(宮城)新組合長に小野寺克己氏(6月27日)2025年7月10日
-
「田んぼの生きもの調査」神奈川県伊勢原市で開催 JA全農2025年7月10日
-
「米流通に関するファクトブック」公開 米の生産・流通など解説 JA全農2025年7月10日
-
「おかやま和牛肉」一頭買い「和牛焼肉 岡山そだち」ディナーメニューをリニューアル JA全農2025年7月10日
-
本日10日は魚の日「呼子のお刺身いか」など150商品を特別価格で販売 JAタウン2025年7月10日
-
転炉スラグ肥料がイネの発芽・発根・出芽を促進 農研機構2025年7月10日