米の直接支払い交付金7500円を提示 与党大詰め調整2013年11月21日
経営所得安定対策と生産調整の見直しを検討している与党は11月20日に実務者協議で合意し、米の直接支払い交付金を26年産から10aあたり7500円とする激変緩和措置を4年間継続することなどを決めた。しかし、20日の自民党の会合では異論が続出し、新たに創設する多面的機能支払制度などの交付金額も含めて政策の全体像を22日に示し、協議することになった。
自民党と公明党の協議合意は以下の3項目。
[1]米の直接支払い交付金
26年産米から単価を10あたり7500円とする激変緩和措置を講じた上で29年産米までの時限措置とする。
[2]生産調整の見直し
水田フル活用交付金の充実等を進めるなかで、定着状況を見ながら、5年後を目途に新たな仕組みに円滑に移行するように取り組むこととし、あらかじめ定着状況を毎年検証する項目を定め、改善すべき点があれば必要に応じて見直しを行う。
[3]多様な担い手の経営対策の拡充
[1]の激変緩和措置の廃止に伴い30年度からはその財源を多様な担い手の経営対策のさらなる拡充等に振り向ける。
◇
自民党は10aあたり1万5000円の米の直接支払い交付金を減額する方針だったが、公明党は維持を主張していたことから7500円で合意した。また、農水省が示した中間とりまとめでは単価を段階的に削減する方針だったが、4年間固定することで合意した。
20日に開かれた自民党の農業基本政策PT・農林部会合同会議では7500円とした理由について議員から質問が出た。
宮腰光寛PT座長は民主党の戸別所得補償政策で決めた1万5000円は生産費と販売価格の算定年度を変えるなど政治的に決められたものであることなどを理由に挙げ「総合的な判断だ」と強調した。
また、農業者が共同で取り組む地域活動に着目した新たな直接支払い制度(「農地維持支払」と「資源向上支払」)や、飼料用米への助成(水田活用交付金)、活用の仕方に産地の自由度を認める「産地交付金」などの単価が示されなかったことから、会合では「全体像を示すべき」との意見が相次いだ。そのためこの日は「米の直接支払い交付金を7500円を前提とした(全体の)数字を示すこと」を了承したかたちを取り、22日午前の会合でその他の単価も示して合意を取ることになった。
実務者合意のうち[2]の生産調整の見直しについては、需要に応じた水田農業生産に向け「毎年検証する項目を定め」としているが、この項目は▽飼料用米など非主食用米の定着度合い▽米以外の作物の作付け状況▽主食用米の契約栽培や複数年契約の状況、などだという。これらについて面積や数量で検証していく考えを示した。
また[3]では、米の直接支払交付金が廃止された後、財源を経営対策の拡充に振り向けるとしているが、宮腰座長は「30年度からは全品目を対象にした収入保険制度をつくるべき」と話し、収入保険制度へ振り向ける考えを示した。
(関連記事)
・【クローズアップ農政】水田農業改革、計画生産を基本に 安藤光義・東大准教授に聞く (13.11.21)
・農政の大転換、現場に周知を 萬歳全中会長 (2013.11.19)
・経過期間は単価固定を JAグループ重点要請 (2013.11.18)
・JAグループと経団連が連携強化(2013.11.12)
・米の販売環境整備を JAグループ(2013.10.02)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日
-
新野菜ブランド「また明日も食べたくなる野菜」立ち上げ ハウス食品2025年7月11日
-
いなげや 仙台牛・仙台黒毛和牛取扱い25周年記念「食材王国みやぎ美味いものフェア」開催2025年7月11日
-
日本被団協ノーベル平和賞への軌跡 戦後80年を考えるイベント開催 パルシステム東京2025年7月11日
-
東洋ライス 2025年3月期決算 米販売部門が利益率ダウン 純利益は前年比121%2025年7月11日
-
鳥インフル 米バーモント州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年7月11日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年7月11日
-
全国トップクラスの新規就農者を輩出 熊本県立農業大学校でオープンキャンパス2025年7月11日
-
夏季限定「ぜいたく果実」芳潤マンゴー ヨーグルトとのむヨーグルト新発売 オハヨー乳業2025年7月11日
-
JAグループ向け生成AIプラットフォーム「報徳Hub」リリース イマジエイト2025年7月11日
-
「第9回高校生科学教育大賞」最優秀賞は山形県立置賜農業高校 バイテク情報普及会2025年7月11日