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2015.11.25 
JAの飼料用米生産コスト低減策を報告-農水省の会合一覧へ

 生産コストを低減させ持続的に飼料用米を生産していくため、農水省が設置している飼料用米生産コスト低減推進チームの第2回会合が11月13日に開かれ、飼料用米生産に積極的に取り組んできたJAなどが事例を報告した。

◆きめ細かい技術対策

 山形県のJA庄内みどりは生活クラブ生協連や平田牧場、全農山形、遊佐町で飼料用米推進プロジェクトを設置し平成8年から飼料用米生産に取り組んできた。
 農家が栽培した飼料用米をJAが乾燥・調製・補完、そこからJA全農山形を通じて飼料会社で配合飼料を製造する。平田牧場はその配合飼料を使って"こめ育ち豚"を生産し生活クラブ生協連を通じて消費者が食べるというサイクルを作りあげてきた。
 飼料用米のおもな栽培品種は多収品種「ふくひびき」。「はえぬき」より出穂期は5日程度早い。短桿・穂重型、耐倒伏性が強いなどの特性がある。平成20年から22年の農業試験場成績では、10aあたり750kgの収量(粗玄米重)だった。
 また、一部では飼料用米品種「夢あおば」も栽培している。出穂期は「はえぬき」並みで、試験場の成績では10aあたり656kgの収量(粗玄米重)だった。
 栽培方法のポイントのうち、雑草対策では▽初期剤は使用せず、一発処理剤1回だけの使用を基本(ほ場条件により雑草の発生がある場合は後期剤の使用も可能)、▽適期に除草剤を使用し雑草対策を徹底、▽漏水が大きいほ場では薬害発生の少ない剤を選択することなどを上げている。
 また、病害虫防除では▽各地区の水稲防除計画に「特別栽培米」に準じて2回とする。ただし、7月の病害虫発生予察情報に基づき7月下旬の防除を追加する場合もあるなどをポイントにしている。
 JA庄内みどりなど関係機関で作成している「飼料用米省力低コスト生産マニュアル」は大豆作付けから飼料用米生産に(普通移植栽培)転換した初年目、2年目、3年目以降の留意点をきめ細かく整理し生産者に伝えている。
 それによると大豆からの転換初年目のほ場の特徴としては、漏水が大きいという。そのため代掻きは浅水状態で丁寧に行うことや、畦塗り機での畦畔補修などの対策が必要だとしている。さらに代掻き後に異常に土が硬くなる「いつき現象」が生じることも指摘。代掻き後は湛水を厳守、また、▽基肥は基本的に行わない、▽穂肥は生育量に応じて適切に行う、▽中干しの程度は土の状態をみて加減するなどの対策を推奨している。2年目からは基肥が必要になるなど肥培管理が変わる。
 こうしたきめ細かい生産対策を現場に浸透させている取り組みが報告された。


◆飼料用米CEが稼働

 宮城県のJA加美よつばからも、実需者と連携した飼料用米の生産・流通体制の構築が報告された。 管内には69の集落営農組合が設立されている。営農組合としての転作への取り組みの一環として飼料用米を推進。とくに大豆・飼料作物での転作が困難な地区で、飼料用米に着目し平成20年から栽培が本格化した。
 主食用米の混入(コンタミ)防止対策では、転作のためのブロックローテーションを見直し、大豆と飼料用米の栽培団地を固定化、固定団地内での大豆・飼料用米の輪作体系を確立した。
 また、平成24年には飼料用米専用のカントリーエレベーターが完成・稼働した。▽飼料用米の生産拡大と高品位安定生産、▽一元的な集荷による混入防止対策、▽バラ流通体系に対応し流通コスト低減などに貢献しているという。
 そのほか低コスト栽培に向けて直播栽培や疎植栽培、立ち枯れ乾燥なども行っている。課題は地域内で生産された飼料用米が地域の畜産農家で活用される耕畜連携などが指摘された。
 会合では鹿児島県姶良・伊佐地域振興局から同地域の飼料用米の取り組みも報告された。

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