東北大学と東洋ライスが脱ロウ玄米食による「認知機能維持効果」を検証へ2019年7月9日
東北大学スマート・エイジング学際重要研究センターと東洋ライスは8日、脱ロウ玄米食による「認知機能維持効果」の検証を始めることを発表した。食生活の中で日本では重要な米食に注目し、特に米ぬかが認知機能に及ぼす効果に焦点を当てる。
脱ロウ玄米食による認知機能維持の検証に向けてタッグを組んだ
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの瀧副センター長(右)と東洋ライスの雜賀社長
米ぬかに含まれるγ-オリザノールなどには、認知機能の維持に有効であるという動物実験の基礎研究が存在する。そのため、高齢期における認知機能の維持に効果があるか検証し、認知症予防に役立つ知見を見つけることがねらい。
今回検証される脱ロウ玄米は、同社が2015年に「金芽ロウカット玄米」の名称で発売したもので、玄米の表面を覆うロウ質を均等の厚みで剥離し、玄米の栄養成分はそのままに食べやすくしている。
東北大学では、脱ロウ玄米が白米のように食べやすく消化にも優れていることから、主食として使えると判断。新たに同大学内に栄養認知健康脳協同研究部門を開設し、食を中心とした課題解決をめざす。2020年から2021年にかけてデータ収集および解析を実施し研究発表することを計画している。
これまでの食と認知機能維持との関連を検討した先行研究は、緑茶、魚、野菜、オリーブオイルといった食品に含まれるさまざまな栄養素にもとづいていた。しかし、一つの食品でできることは限りがあることから、こうした食品をバランスよく摂るような食生活スタイルに研究者の関心は移行している。
今回は、実際に約24週間にわたり、これまで通り白米を食べる人と、昼食に週4回以上、脱ロウカット玄米を食べる人に分け、玄米が認知機能に有効かどうかを検証する。
同研究センターの瀧靖之副センター長は、「認知症は遺伝もあるが、いまは運動や食事、認知トレーニング、コミュニケーションなど様々な行動で予防したり、発症を遅らせることは可能になってきている。白米から玄米に変えることで認知機能が保たれるのではないかという仮説をたてて検証を進める」と説明。また、東洋ライスの雜賀慶二社長は「脱ロウ玄米が食べやすさと玄米特有の栄養成分で国家社会に貢献できると期待している」と話した。
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