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米:JA全農米穀事業

【JA全農米穀生産集荷対策部・栗原竜也部長に聞く】令和2年産米生産・集荷・販売基本方針2020年3月10日

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生産提案型事業さらに推進系統集荷量の確保・拡大へ

 JA全農はこのほど令和2年産米生産・集荷・販売基本方針を決めた。主食用米は需要に応じた生産が求められているが、JA全農は実需者ニーズに基づき、多収米の作付提案を担い手・産地に行う生産提案型の事業をさらに推進するとともに、系統集荷量の確保・拡大に取り組み、安定した取引を継続して行う環境づくりにより生産者の手取り確保に貢献することをめざす。米穀生産集荷対策部の栗原竜也部長に聞いた。

◆連合会集荷量は拡大

 ――令和元年産米をめぐる状況とJA全農の取り組みについてお聞かせください。

 元年産米は政府による生産数量目標の配分が廃止されて2年目となり、需要に応じた生産に確実に取り組むことが求められました。
 結果としては、東日本は豊作基調となる一方、西日本は不作基調だったことから全国の作況指数は「99」となり需給は均衡したかたちに落ち着きました。
 ただし、主食用米の収穫量は726万tで前年比▲6・6万tとなりましたが、主食用米の作付け面積はそれほど減少せず、かりに作柄が平年並みとなっていれば主食用米が過剰になっていたのではないかと、薄氷を踏む思いで事業を進めてきたというのが実情ではないかと思います。
 そういうなかで令和元年産米について、われわれはしっかりと集荷をしていこうということで徹底して集荷の取り組みを強化してきました。結果は、主食用米の集荷見込みは、30年産米にくらべ元年産はJAで301万tと前年より2万t、連合会段階で223万tと3万t集荷を増やしている状況です。主食用米の生産量が減るなか、われわれとしては集荷量を増やしてきたということです。
 また、水田活用米穀(加工用米、飼料用米、備蓄米等)の集荷見込みは連合会段階で41万tとなっています(いずれも令和2年1月15日時点)。 事前契約(播種前・収穫前・複数年契約)は、安定的な取引の拡大に向け140万tを目標に取り組み、成約数量は前年並みの137万tとなりました。これによって価格も3年連続で60キロあたり1万4400円水準で維持するというかたちを実現できたと思っています。(令和元年12月時点の相対取引価格は60キロ1万4425円(前年同月差+46円))。
 われわれとしては価格をこの水準で維持していくことが重要だと考えています。
 同時に元年産米から取引先との販売条件を一部見直して生産者の所得向上につながる取り組みも展開しました。
 その1つは販売価格における1―2等格差、1―3等格差を実態に合わせてそれぞれ300円圧縮したことです。もう1つは共同計算のなかで生産者が負担していた保管料の一部を販売価格に転嫁し取引先負担としました(7月以降取引分について品代に200円加算)。こうした生産者の所得増につながる見直しには引き続き取り組んでいきます。


◆JA未利用者にもアプローチ

 ――主食用米の需要は高齢化と人口減少などの要因もあって毎年10万t程度の減少が見込まれています。こうしたなか令和2年産米に向けた課題は何でしょうか。
 
 やはり需要に応じた生産を進め需給環境を維持し、生産者の所得が減らないように取り組む必要があります。同時にわれわれとしては実需者のニーズに確実に対応できるように生産現場でしっかりと集荷し安定供給につなげていく必要があります。そういうなかでJAへの既存の出荷者はもちろんですが、JA未利用者・低利用生産者へ多収品種などの契約栽培を提案し集荷の拡大を図ることも大事だと考えています。


 ――それでは令和2年産米の取り組み方針と目標をお聞かせください。

 基本は、われわれが実需者と直接商談することで得た実需者ニーズに基づいた作付提案・契約栽培を行う生産提案型事業をさらに拡大していくということです。それによって系統集荷量を確保・拡大し、安定した取引を継続的に行える環境を作り生産者の手取りをしっかり確保していくということです。これがわれわれJA全農の使命だと思っています。
 具体的な重点事項として大きく「集荷確保・拡大に向けた取り組み」と「生産者の手取り確保に向けた取り組み」の2つを掲げています(図1)。


【図1】2年産米の取組方針


集荷確保・拡大に向けた取り組み

 このうち「集荷確保・拡大に向けた取り組み」では3つを重点取組事項とし、その1つが先ほども課題として挙げた「既存の生産者に加えJA未利用・低利用生産者も含めた契約栽培の推進」です。
 全国的に農家の高齢化などで担い手経営体に農地集積が進んでいますが、そうした担い手のなかにはJAとの関係があまりない生産者もいます。そこにJAと一体となってアプローチし生産提案をしていくということです。とくに業務用米としてのニーズに応える多収米の生産提案を行っています。それによって集荷を拡大させるという取り組みです。
 担い手、生産者への提案に際しては、米穀事業だけでなく、栽培技術情報の提供や省力・低コスト資材の提案など営農や資材部門間の連携で生産者をサポートして、これによって生産者と実需者を結びつける複数年契約など長期安定的な取引を構築していきます。
 栽培技術については、元年産米での多収米の栽培実績をもとに、全国3ブロックで関係者が集まり栽培技術研究会も開催し、2年産に向けた課題を検討するなど現場をサポートする取り組みも行っています(図2)。

既存の生産者に加えJA低利用・未利用も含めた契約栽培の推進既存の生産者に加えJA低利用・未利用も含めた契約栽培の推進


 多収米などの契約栽培は元年産目標3万tに対し実績は5・8万tとなりました。2年産目標は5万tですが、これまでの各県の積上げ目標はすでに約8万tとなっています。3年産では10万tを目標としており、その実現に向けて着実に取り組みたいと考えています(表1)。
 2つめが品種開発です。生産者の手取り向上や競合他社との競争力確保に向け、JA全農としても品種開発に着手して全農独自の米を生産・流通させていこうということです。具体的には農研機構との共同研究を進め、全農が独占使用権のある品種(オーダーメイド米)の開発を進めます。開発しようとしているのは業務用ニーズに応える多収品種です。
 そのほか既存多収品種やオーダーメイド米種子の安定的な生産・供給体制をつくるため種子の生産法人などへの出資による提携など生産現場により近いところで関係強化にも取り組みます。
 3つ目は柔軟な集荷対応による取扱拡大です(図3)。今はすでに米の流通は複線化していますが、われわれも、たとえば物流業者等と連携して生産者から庭先集荷をしたり、連合会として設置している広域集出荷施設に生産者から直送してもらうなど物流コストの削減も図りながら取扱いを拡大していきたいと考えています。
 このように令和2年産米も取り組み方針でいちばん重要なことは、「集荷の拡大」だということです。

【図3】柔軟な集荷対応による取扱拡大


生産者の手取り確保に向けた取り組み

 「生産者の手取り確保に向けた取り組み」の重点取組事項の1つは「実需者と結びついた事前契約の拡大」です(図4)。
 2年産の目標は143万t+αとしています。収穫前契約から播種前契約へ、さらに播種前契約から複数年契約へなどと、より早い段階からの契約を拡大します。また、事前契約は実需者まで確実に結びついた3者、4者(JA、全農、米卸、実需者)契約を基本に進めます。これにより需給に左右されない安定的な価格と取引関係の構築をめざします。


【図4】事前契約のすすめ方事前契約のすすめ方


 2つめが「県域実情に応じた多様な手法による買取の拡大」で、2年産目標は取扱数量の40%としました(表1)。共同計算を存続する産地では、共同計算を早期に精算するためにJA全農が共同計算から買取を行います。また、精算時期を早めるため可能な限り早期化を図ります。

【表1】令和2年産の目標数量令和2年産の目標数量

 JAの直接販売についても一定の時期に未販売分を全農が買い取って、取引先に販売することにも取り組みます。これによって生産者への早期精算につなげます(図5)。
 3つめは「産地から消費地までの物流改善に向けた対策の検討と構築」です。
 人手不足のなか、トラック乗務員の手荷役削減による輸送力を確保するため、フレコン輸送の拡大と紙袋輸送の完全一貫パレチゼーション化に優先的に取り組みます。そのうえでトラック中継輸送や海上輸送の拡大などを検討していくことにしています。こうした物流改善によって集荷確保を図りJA・連合会の取扱い拡大につなげていきたいと考えています。


【図5】早期生産のための県域共計から全農に対する未販売米穀の売渡し早期生産のための県域共計から全農に対する未販売米穀の売渡し

◆輸出拡大と消費拡大にも力

 ――主食用米以外の加工用米など水田活用米穀にはどのように取り組みますか。

 水田活用米穀については全体で元年産より19万tの拡大が目標です(図6)。加工用米や米粉用米は実需者が明確であり、購入希望に応じて優先的に取り組みます。また、備蓄用米は生産者手取りが一定に見通せることから優先枠以上の取り組みを推進します。
 一方で主食用米は需要に応じた生産を推進し、主食用や加工用などの水田活用米穀の需要をオーバーする数量は飼料用米での取り組みをすすめます。


図6


 輸出については海外拠点を拡充し拠点を中心にした海外取引先への営業とニーズ把握を進め、ニーズに基づき生産者・JAと一体となった輸出用産地づくりに取り組みます。産地づくりから海外市場での販売まで全農グループで完結するサプライチェーンの構築をめざし、令和2年度は2万tの輸出を計画しています。
 また、関連する取組事項としては、合理化による流通コストの削減と精米取扱数量の拡大によって競争力強化を図るため、パールライス事業の体制整備(卸再編と精米向上再編)をすすめます。このため全農パールライスへの1社化の推進を加速します。


【図7】輸出拡大の取り組み強化輸出拡大の取り組み強化


 ――米の消費拡大も期待されます。

ライスライダー 国内の米消費拡大に向け昨年に続き、「お米は太る」という誤解払しょくとお米を食べることのメリットを幅広い世代に発信していきます。
 新規企画として子どもを通じた米飯食のきっかけとなるよう、ごはんを食べる楽しさやおいしさをテーマにしたオリジナルソングとダンスの制作を進めます。また、SNSを利用し米の機能性や米にまつわる豆知識の発信なども行い、若年層へPRし、米は太るという誤解払しょくにつなげていきます。米の魅力を伝えるニューヒーロー「ライスライダー」が米の価値を伝える小冊子も制作しました(図8)。
 そのほか、今年も継続して、手軽にごはんを使った弁当を作ってもらう「地味弁」や、「おにぎりダイエット+ウォーク」にも取り組みます。

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