精肉店が地元の「高校牛児」を応援 岐阜・大垣の精肉店が「和牛甲子園」応援セール2020年2月14日
JA全農が主催する「和牛甲子園」は今年が3回目で1月16、17日に東京都内で開かれた。初回と2回で“総合優勝”を連覇した岐阜県立飛騨高山高校を初め強豪高がひしめく岐阜県で、初回から毎年「和牛甲子園応援セール」を行う地元の精肉店から話を聞いた。
吉田本店は、大垣養老高校の出品牛を1頭買いして販売した。
JA全農は、和牛を肥育する全国の農業高校の生徒たちの肥育に関する日頃の取り組み内容と、育てた和牛の肉質を競う「和牛甲子園」を主催している。
2018年の第1回と翌年の第2回で「総合評価部門」の最優秀賞(総合優勝)を受賞したのは、岐阜県立飛騨高山高校だった。今年行われた第3回で3連覇はできなかったものの、「取組評価部門」の優良賞と「枝肉評価部門」の優秀賞を受賞している。また今年は、同県立大垣養老高校が「取組評価部門」審査員特別賞を初受賞した。そして同県立加茂農林高校が第1回の「肉質評価部門」優秀賞、第2回の「取組評価部門」優良賞を受賞しており、同県は"甲子園"強豪高がひしめいている。
JA全農岐阜県本部の広報担当は、飛騨高山高校が3連覇できなかったことは残念だが、大垣養老高校が初受賞したと喜ぶ。「どこも後継者不足が課題となっている。和牛甲子園で高校生たちが交流を深めることで、担い手を増やすことにつながることを期待している」という(同コンプライアンス推進課)。
この岐阜県大垣市にある精肉店、(株)吉田ハムで「吉田ハム全店イベント 高校牛児!和牛甲子園応援セール」が2月7日から9日に行われた。
このイベントは、同社が企画して第1回和牛甲子園が開催された2018年から毎年行われている。同社は、高校生が育てた牛を1頭買いで仕入れ、精肉に加工して販売する。
販売の実習をする大垣養老高校の生徒たち(冷蔵ショーケースの内側の2人)。
今年の2月7日(金)から9日(日)に行った応援セールでは、飛騨高山高校、大垣養老高校と美濃加茂から1頭買いで仕入れた和牛を同社の吉田本店、郭町店など4店舗で販売した。
本店店長の丹羽英幸さんは、母校の大垣養老高校の牛を販売した。
当日は同校の校長も来店し、生徒たちは"肉を売る"実習として販売を行った。丹羽さんによると、生徒たちが肉を加工する工程を実際に見て、精肉が店頭に並ぶところまでを学んだ。「生徒の中に大学に進学して畜産を学ぶという人もいて、朝の餌やりや夜遅くまでの肉質についての勉強しただけでなく、精肉に加工して店頭にきちんと並べ消費者に届くまでを知ることができたと喜んでくれた。自分も若い子たちがどう思っているかが分かったのでお互いによかった」と話してくれた。
販売価格は店ごとに若干の違いはあったが、アピタやアルプラザにテナントで入っている店もあり通常どおりの価格で販売した。それでも品質の良さから期間内に、牛すね肉など一部を除いて売り切ったという。
丹羽さんにこれまで3年続けて高校生が育てた牛を販売してきて、高校生たちに何か変化があったかを聞いてみた。
「生徒たちが、"プロの目"になっていると感じている。肉を見る目が違っている。また、販売でも笑顔で接客をしている。それは"和牛甲子園"に3年間参加し、先輩から後輩たちへと伝わっているものがあるからではないか」という。
「吉田ハム全店イベント 高校牛児!和牛甲子園応援セール」のチラシ(クリックで拡大)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日