牛乳と死亡・骨折リスクの関連 Jミルクが見解2014年11月12日
10月末にスウェーデン人を対象にした観察研究の結果、牛乳を飲む女性は死亡率が高くなる、などといった論文が英医学誌に発表されたが、これに対しJミルクは11月6日、「(研究結果の)取り扱いは、慎重でなければならない」とする見解を公表した。
研究結果は、10月29日付の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に掲載された。スウェーデン人の男女の食事調査を平均最大20年間フォローしたもので、牛乳を飲んだ量と骨折・死亡との関連を調べた。
それによると、男性については関連性がなかったものの、女性については1日200g以上牛乳を飲んでいた人は、飲む量が多ければ多いほど、死亡率・骨折リスクが高まるとしており、とくに毎日3杯以上多く飲む人の死亡率は93%だとしている。
これに対しJミルクでは、こうした観察研究は、そのほかのさまざまな条件にも影響されていることから、「正確な因果関係を示すことはできない」と、結論については慎重に取り扱うべきだとしている。
とくに、スウェーデン人と日本人の生活・食習慣の違いを挙げている。調査対象となったスウェーデン人女性の1日平均のカルシウム摂取量は700mg以上だが、日本人女性は431mg(厚労省、平成24年調べ)だ。また、スウェーデンの牛乳には、骨折リスクを高めると言われているビタミンAが添加されているのが一般的だという点にも注意が必要だとしている。
このほか、「牛乳を飲む男女は死亡率が低い」など、今回の研究結果とは正反対の結論を出した先行研究が過去に多数発表されており、「(今回の)論文を根拠に、結論を導くべきでなく、また食事のあり方を変更すべきではない」としている。
(関連記事)
・飲用牛乳価格0.64円下がる 26年第2四半期(2014.11.06)
・バター在庫量若干回復 9月の牛乳乳製品(2014.11.05)
・アフリカの子どもたちの栄養改善活動を支援(2014.10.27)
・脱脂粉乳・バター用は8.8%減 9月の販売乳量(2014.10.17)
・牛乳の異臭騒ぎ Jミルクが理解訴え冊子作る(2014.10.15)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日