27年産飼料用米60万t達成を2015年1月20日
JA全中は1月15日の理事会で「27年産水田農業にかかるJAグループの取組方針」を決めた。主食用米の需給改善が最大の課題で飼料用米の生産拡大などに取り組む。
米価の大幅下落が生産現場に不安と混乱を与えているなか、JAグループは需給を改善し適正な米価を実現していくことを27年産の最大課題であるとしている。
また、生産者団体が主体的に飼料用米などの生産拡大に取り組むことによって主食用米の需給を改善できるかどうかは、30年産からの新たな米づくりに向けて大きな試金石となると位置づけている。主体的な取り組みによって需給が改善できれば市場や流通のさまざまな場面でJAグループの影響力が高まっていくことも期待できるとしている。
こうした認識のもと、JAグループは27年産の主食用生産の抑制に徹底して取り組み、2年間で需給均衡を確実に達成することを目標にする。
27年産の生産数量目標は751万tとされているが、28年6月末在庫が少なくとも過去の平均水準程度(200万t程度)まで圧縮することが見通せない限り、27年産での米価回復は困難だとJAグループは想定している。そのため過剰作付けを含むトータルの生産量が「自主的取組参考値」である739万tとなる取り組みが必要になる。
このため、過剰作付け県では行政を巻き込みつつ、JAグループに出荷していない生産者に対しても現在の需給・政策環境や飼料用米の優位性、全農買取スキームなどを伝え、過剰作付けの解消を強力に進める。
ただ、これまでの経緯をふまえると過剰作付けすべてを解消することは難しく、自主的取組参考値739万tをめざす取り組みでは需給改善に向けた万全な取り組みではとはいえないとしている。
そこでさらに主食用生産を抑制して飼料米を60万t達成、主食用は723万tの生産量とする試算を示している。この場合、28年6月末の在庫量は199万t程度となる見込みだ。
生産数量目標の自主的削減には10aあたり5000円の産地交付金の追加払いも措置されている。また、27年産で深掘りしたことが28年産米での生産数量目標の都道府県配分の際に不利になることはない。このような政策についても十分な認識を広める必要がある。
一方、主食用の生産抑制のための飼料用米は60万t達成を目標とする。26年産の実績は18万tだから27年産では42万t増やすことになる。作付け面積は現状の3万haを10万haに拡大することになる。
飼料用米の生産拡大に向けてJA全農は本所が生産者から飼料用米を直接買い取り、買取業務をJAに委託する新たなスキームを構築している。 このスキームは相場変動(トウモロコシ、為替)に伴う価格変動リスクから生産者を遮断するとともに、販売先の確保を全農が担うことによって生産者の負担も軽減できる。
また、畜産側でも輸入飼料の高騰・高止まりを受けて飼料用米を含めた国産飼料作物の利用拡大を進めている。今後は耕種側も地域の畜産クラスターに積極的に参加するなど、今まで以上に畜産サイドとの連携を強め、飼料用米の継続的な生産と安定供給に取り組むことも重要になっている。
(関連記事)
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