畜産業の悪臭対策「畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム」提供開始 キヤノンMJ2022年6月27日
キヤノンマーケティングジャパンは、畜産業における悪臭問題を解決するため、静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターとの実証実験で次亜塩素酸水を用いた"畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム"を開発。7月1日から提供を開始する。
豚舎の次亜塩素酸水噴霧イメージと堆肥舎での噴霧写真・臭気センサーによる試験結果
養豚場などが排出する悪臭が畜産業の振興や、県内への企業誘致・移住促進の妨げとなるなど大きな社会課題となっていることから、両者は静岡県内の養豚場で、キヤノンMJの次亜塩素酸水の脱臭システムを活用した実証実験を2020年11月から行ってきた。
実証実験では、豚舎において次亜塩素酸水噴霧前の臭気センサー指数40以上だった数値が噴霧後は11以下に。家畜糞尿などの堆肥化施設である堆肥舎では、噴霧前の臭気センサー指数22~36から8以下に低らすことに成功。施設外3メートル境界の臭気について、人がほぼ畜産系臭気と感じない程度に低減することを確認した。
この結果をもとにキヤノンMJは、"畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム"を提供。同システムは、次亜塩素酸水の噴霧による気流の調整や、次亜塩素酸水自体の粒子を微細化することにより、豚舎や堆肥舎のより効果的な脱臭を実現する。さらに、次亜塩素酸水はアンモニアなど一般的な悪臭物質だけではなく、風に乗って遠方まで影響を与える低級脂肪酸類にも効果があるため、周辺への悪臭問題の解決につながる。
キヤノンMJは、2025年までに同システムにおける30セットの販売をめざす。今後は臭気対策だけでなく、国内畜産業の生産性向上を支援するため、家畜の成育促進をテーマとして次亜塩素酸水の殺ウイルス効果の活用なども視野に入れて研究し、商品化をめざす。畜産向け次亜塩素酸水噴霧システムは、680万円(税別)から。
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