OPU体外受精事業とウシ卵子培養受託事業 鹿児島県霧島支店で開始 ノースブル2024年3月7日
和牛受精卵の生産・販売・移植・技術開発を手がけるスタートアップの株式会社ノースブル(宮城県仙台市)は3月1日、鹿児島県霧島市に新事務所を建設し、OPU(生体卵子吸引技術)体外受精事業とウシ卵子培養受託事業を開始した。同社獣医師が実施するOPUは、九州南部および北海道の道央、道東エリアで培養まで可能になる。また、対象エリアでは初回トライアルOPUを実施。開業獣医師や団体獣医師からの培養受託トライアルも実施する。
2023年12月に完成された新事務所
受精卵移植は、和牛から採取した受精卵を乳牛に移植し、乳牛から和牛を出産させる、いわば"代理母出産"の技術。和牛農家・酪農家双方の収益増に貢献する技術として期待される一方、専門性の高さや技術者不足が足枷となり普及が進んでいないことから、同社はこれまでも若手技術者の育成に注力し、受精卵移植実施数の底上げに貢献してきた。
同社は、受精卵技術をより身近に、誰でも利用できる体制を整えるため、2022年5月に日本有数の和牛の産地である鹿児島県に和牛受精卵の生産の拠点として霧島支店を開設し、体内受精卵の生産を中心に取り組んできた。
同社霧島支店では、本格的な体外受精卵の生産業務実施のため2023年から新事務所を建設してきたが、このほど、培養室が完成。3月1日からOPU体外受精事業とウシ卵子培養受託事業を始め、新規事業として展開する。
OPU体外受精の特長は、短期間に多くの受精卵生産が可能で、妊娠牛や未経産牛などでも実施可能な点や、発情周期に縛られずホルモン処置を行わなくても実施可能な点などが挙げられる。一方、OPUから体外受精まで一貫して行うには高額な機材が数多く必要となる。
新設された培養室
新たに完成した培養室は、体外受精に必要なCO2インキュベーターやマルチガスインキュベーター、クリーンベンチなどを複数台設置することで大量の卵子の培養が可能になった。OPU体外受精の依頼だけでなく、卵子培養の委託のみの希望にも対応する。和牛農家・酪農家に限らず受精卵業界に携わる技術者のニーズにも応えることで畜産・酪農業界の更なる発展に尽力する。
OPU技術料金は1頭につき4万円、培養基本料金は1頭につき1万5000円を設定。 OPUおよび培養受託については、それぞれ頭数を増やすことで利用しやすい価格に減額できる。
同社獣医師が実施するOPUは九州南部および北海道の道央、道東エリアにて培養まで可能となる。対象エリアでは初回トライアルOPUも実施。さらに、開業獣医師や団体獣医師からの培養受託トライアルも実施する。
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