畜産糞尿の95.85%減容に成功 畜産経営を圧迫する糞尿処理の課題に挑む技術を実証 デザミス2026年1月19日
デザミスは、2025年10月から12月にかけて、鹿児島県内の肉用牛肥育農家において酸化分解装置(OHD)の小型実証機による試験を実施。重量ベースで95.85%という極めて高い固形物減容率を確認した。さらに、OHDの処理過程で生成された多孔質なセラミック系粉末からは、肥料の主要成分であるリン(14.54%)およびカリウム(10.82%)の検出を確認し、肥料資源として転換できる高付加価値化の可能性を実証した。

畜産農家では、家畜の飼養に伴い大量の糞尿が日常的に発生し、経営を圧迫する深刻な課題となっている。堆肥化や保管、散布、運搬など処理工程は、敷地の制約や作業負担に加え、法的管理も求められるため、大きな経営負担となってきた。例えば、乳牛1頭が1日に排出する糞尿量は約65kgに達し、これは1日の搾乳量(約31kg)の約2倍に相当する。

同実証で確認された高い減容率が実運用でも再現できれば、糞尿の保管量や運搬回数の削減につながり、処理に伴うコストや作業負担の軽減が期待される。
今回の成果は、大幅な減容による敷地利用の効率化や輸送コストの低減を実現するだけでなく、セラミック系粉末を肥料原料として活用できる点に大きな価値がある。日本の農業は、リンやカリウムといった肥料原料の多くを海外に依存していることから、畜産由来の排せつ物からこれらの成分を国内で回収・再利用することは、資源循環の促進に加え、食料安全保障の強化と自給率の安定に直結する。
現在、国内の畜産現場では、牛関連だけでも1日あたり約15万トン、畜産全体では約20万トンの糞尿が日々発生している。日本の牛の総飼養頭数は約389万頭だが、世界に目を向けるとその数は約15億頭にのぼり、糞尿処理の経営負担や環境負荷の問題は、特定の国にとどまらない国際的な畜産課題となっている。
同実証は、糞尿処理の高度化と資源循環を両立させることで、畜産経営の持続性と食料安全保障の向上に貢献する技術。デザミスは、2026年内の実用化を目指し、日本の畜産現場で培った技術と知見を世界に広げ、日本で培った技術と知見をもとに、環境負荷低減と資源循環を求める海外市場へと展開する。
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