日本一のシソ産地・愛知県と「シソ病害虫AI画像診断技術」開発 ミライ菜園2026年1月19日
「農家の経営リスクを最小化する」をミッションとするミライ菜園(名古屋市)は、愛知県農業総合試験場との共同研究により、スマートフォンで撮影した画像からシソ(大葉)の病害虫を高精度に判別するAI診断技術を開発した。
AIによるシソの病害虫画像診断
この技術は、愛知県が2021年度から推進する「あいち農業イノベーションプロジェクト」の一環として開発されたもの。国内産出額第1位を誇る愛知県の特産物でありながら、これまでデジタル診断ツールの整備が遅れていたシソに対し、独自の手法を用いることで平均精度94%という極めて高い診断能力を実現した。
農業現場において、病害虫の誤診断は不適切な農薬散布を招き、被害の拡大やコスト増大に直結する。特にシソは、トマトやイチゴなど主要な作物に比べてAI診断技術の開発が進んでおらず、熟練者のスキルに頼る部分が大きいという課題があった。
同技術の開発にあたっては、農業総合試験場や協力農家などから提供され約1万2000枚の被害画像を学習データとして活用。これまでのAI画像診断では1枚の画像から診断を行うものだったが、背景に着目して誤った特徴を抽出してしまう場合や、症状が酷似しており写真だけでは判断がつきにくいなど一定の誤診断リスクが残っていた。
そこで、生産者の求める高精度を実現するために、複数の画像と畑での発生状況等に関する問診情報を組み合わせる手法を開発。問診は人間の専門家が診断時に行う観察、聞き取り内容を再現したもので、画像1枚のみの診断では排除できない明らかな誤診を防ぐことができ、主要な病害虫11種を平均精度94%(従来比16%向上)で診断できるようになった。
画像と問診の融合でプロの眼を再現
生産者はスマートフォンを通じて、撮影した写真や過去の画像をもとに迅速な診断結果を得られるため、病害虫被害の軽減や農薬の適正な使用につなげることが期待される。今後、シソ以外の主力野菜への応用も視野に入れ、さらなる研究開発を進める。
また、ミライ菜園では、同技術を現在提供中の病害虫発生予測AIを搭載する防除支援アプリ「TENRYO(テンリョウ)」へ将来的に統合を計画。「TENRYO」は、AIが病害虫の発生を予測して適切な農薬散布タイミングを知らせたり、適切な農薬を推奨してくれる「AIドクターアプリ」で、キャベツ、ブロッコリーなど愛知県で生産が盛んな野菜のほか、柑橘類など13種の農作物に対応している。
豊川市で行われたアプリの試験
同技術の開発により、「予測」から「診断」、そして適切な「対処」までを一気通貫でサポートする、防除に特化したデジタルプラットフォームの構築を目指す。
重要な記事
最新の記事
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(97)JIRACの分類【防除学習帖】第336回2026年2月14日 -
シンとんぼ(180)食料・農業・農村基本計画(22)水田政策の見直し2026年2月14日 -
農薬の正しい使い方(70)アミノ酸合成阻害【今さら聞けない営農情報】第336回2026年2月14日 -
ローマで一度は訪れたい博物館――国立ローマ博物館【イタリア通信】2026年2月14日 -
【人事異動】JA全農 部課長級(4月1日付) 2月13日発表2026年2月13日 -
全中トップフォーラム【情勢報告】JA全中常務 福園昭宏氏 役職員で意義共有を2026年2月13日 -
【実践報告①】JA十和田おいらせ組合長 畠山一男氏 支店長を核に出向く活動2026年2月13日 -
【実践報告②】JAセレサ川崎組合長 梶稔氏 相談体制と職員育成に力2026年2月13日 -
【実践報告③】JA富山市組合長 高野諭氏 トータルサポート室奏功2026年2月13日 -
【実践報告④】JAたじま組合長 太田垣哲男氏 "地域ぐるみ"接点強化2026年2月13日 -
【実践報告⑤】JAえひめ中央理事長 武市佳久氏 新規就農の育成に力2026年2月13日 -
【実践報告⑥】JA鹿児島みらい組合長 井手上貢氏 "考動"し実践する職員に2026年2月13日 -
【特殊報】キュウリ退緑黄化病 県内で初めて発生を確認 三重県2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(1)生物的防除とは2026年2月13日 -
【地域を診る】気仙沼・陸前高田を訪ねて 「思い込み」からの解放を 京都橘大学学長 岡田知弘氏2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(2)物理的防除法2026年2月13日 -
【サステナ防除のすすめ】IPM防除の実践(病害編) 生態系、環境に配慮(3)耕種的防除法2026年2月13日 -
2週連続で価格上昇 スーパー米価5kg4204円 高止まり、いつまで2026年2月13日 -
米価高騰背景、純利益55億円の「過去最高益」 木徳神糧25年12月期決算2026年2月13日 -
【26年度生乳生産】5年連続減産、初の都府県300万トン割れか2026年2月13日


































