【Jミルク脱粉対策】2年で2.5万トン削減 財源拡充も課題2026年3月5日
Jミルクは3日までに、来年度も含め2年連続で大量の脱脂粉乳在庫対策の具体的な内容を決めた。25、26年度で合計2万5000トンもの在庫削減に踏み切る。背景には、深刻な生乳需給緩和がある。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)
Jミルク持続的酪農研究会でもヨーグルト需要拡大の重要さも唱えられた(3月2日、都内で)
■在庫なお8・5万トン、放置なら11万トン
Jミルクは、2025年度1月から需給変動リスク対応基金を取り崩す形で脱粉在庫削減対策に乗り出している。すでに26年度も削減対策実施を決めているが、今回は具体的な数量を示した。
26年度は1万3000トンで、25年度の1万2000トンと合わせ、2年連続で脱粉削減対策を実施、合計2万5000トンもの大量の処理で対応することにした。
だが深刻なのは、それでもなお26年度末脱粉在庫は8万5000トンと、適正在庫と見られる5万~6万トンに比べ相当の過剰に変わりがないことだ。さらに、対策を取らず放置すれば11万トンもの在庫となる。
■異例の大量削減、「需要拡大以外にない」
生乳需給改善に向け、関係者は「需要拡大以外にない」と口をそろえる。具体的には、酪農・乳業関係者挙げての取り組み「牛乳でスマイルプロジェクト」などを活用しながら、着実に消費拡大を積み重ねていく方針だ。
まずは主力の飲用牛乳の消費拡大だ。Jミルクが1月末に発表した26年度需給見通しでは、消費量に相当する牛乳類生産量は前年比1・5%減と前年割れが続く。昨年8月以降の末端小売価格の改定で、量販店の牛乳の店頭実売価格は1リットル当たり10円~20円程度上がったとみられる。牛乳は、他食品に比べ価格上昇率が高いわけではないが、購買主力の子育て層などを中心に購入頻度を減らすなどの対応も見られる。
需要拡大では、さらに脱粉需要に直結するヨーグルトの消費拡大をどう進めるのか。Jミルクの隈部洋副会長(全酪連会長)は2日、都内で開催したJミルク主催の25年度「日本の持続可能な酪農研究会」のあいさつで、生乳需給緩和の中で、各メーカーに新商品開発の努力を促すとともに業界挙げたヨーグルト需要の新戦略、夜にヨーグルトを食べようと「ヨルグルト」の浸透もアピールした。
■「財源どうする」民間主導の"限界"
26年度脱粉在庫削減対策1万3000トンの内訳は、飼料向け5500トン、輸入調製品置き換え6000トン、さらには輸出に1500トンを見込む。国産脱粉は高品質で、価格が下がれば需要は確保できるとの見方が強い。
問題は財源だ。25年度4月に設置した需給変動リスク基金は、万が一に生乳需給変動に対応した業界自らのセーフティーネット装置。だが生乳需給緩和により基金初年度からの発動となっている。26年度も21億円の範囲で対応する。今のところ生処キロ15銭拠出と前年度同額を予定している。
だが民間主導の在庫対策では早晩、財源的に限界が来る見通しだ。牛乳・乳製品は学校給食の主要品目となっている国民の基礎的食材だ。農水省も主体的に関わり一定程度の財源を確保した上でのより迅速・効果的な在庫対策の必要性も問われている。
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