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【浜矩子が斬る! 日本経済】「『労働生産性の向上』は魔法の杖なのか」 真っ当な言葉の違和感2026年3月5日

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日本の実質賃金がなかなか上がらない。あと一息でプラスの領域に入りそうだと言われてもいるが、果たしてそれが定着するだろうか。物価上昇のペースに賃金上昇のペースが追いつき、追い越す日は来るのか。追い越すことは容易ではないだろう。物価が賃金に追い抜かれてしまえば、企業経営は追い詰められるからだ。この厄介な関係をどう解きほぐして行くのか。大きな問題だ。

エコノミスト 浜矩子氏_sumエコノミスト 浜矩子氏

この難題に対する決定打的解答として、常に持ち出されるのが「労働生産性の向上」である。この殺し文句が出て来ると、誰もが納得する。誰も異を唱えない。やっぱりそうだ。それしかない。そうだよね。そういうことになる。だが、本当にそうか。

労働生産性が上がれば、賃金が上がるのか。企業は、賃金を上げるために労働生産性の引き上げを目指すのか。従業員の賃金を上げたいために、彼らの生産性向上を目指すのか。そういう奇特な経営者も決していないことは無いだろう。だが、労働生産性さえ上がれば実質賃金の低下問題が解決するという考え方には、どうも違和感がある。

さらに言えば、労働生産性が上がれば、労働者は長時間労働から解放されるのか。彼らの自由時間は増えるのか。彼らは楽になれるのか。生産効率が上がることで、労働者は金銭面でも時間的面からも、どこまでメリットを享受出来るのか。「労働生産性の向上」が魔法の杖のように振りかざされるたびに、どうしても、一連の疑念が湧いて来てしまう。

いみじくも、かの「資本論」の中でカール・マルクス先生が労働生産性について注目すべきことを言っている。ある労働者の生産効率が上がって、それまでよりは短時間で所定の仕事をこなせるようになったとする。だからといって、従来より早く帰れるようになると思うなよ。労働時間が短くなっても、賃金は減らないはずだなどと考えるなよ。資本家は、仕事はいくらでもあると言うだろう。浮いた時間をほかの仕事にあててもらおう。仕事は増えても、生産効率の上昇のお蔭で労働時間は増えない。だから、賃金も余計に払う必要はない。こういう風に考えるのが資本家だ。

筆者自身の体験から言っても、生産性の向上が労働時間の短縮や賃金上昇につながったという体感はない。電卓からパソコンへと計算手段が変わり、手書きからワープロへ、そしてパソコン上のワープロソフトへと報告書づくりの手法が変わっても、シンクタンクで経済予測をやっていた時代の残業時間が減るということは無かった。繰り返し計算が何回も出来るようになったことで、予測の精度は多少なりとも上がったかもしれない。だが、スピードが上がれば上がったで、やらなければならない作業は増えて行ったと記憶する。

生産性向上の成果を資本と労働の間でどう分かち合うか。どのように分かち合うことが正当性のあるやり方なのか。この点をきちんと追求することなく、「労働生産性の向上」を呪文のごとく唱え続けることには、やはり、問題があると思う。これさえ言っておけばいい。そういう考え方は反省を要する。

少し視点がずれるが、労働生産性問題について、古典落語の中に面白い教訓がある。「化け物使い」という演目だ。人使いがやたらと荒いご隠居さんがいる。あまりにも仕事が多過ぎてきつ過ぎるために、奉公人がいつかない。そこにやって来た一風変わった働き者も、やっぱりやめると言い出す。その理由はご隠居が化け物が出る家に引っ越すと言い出したからだ。人使いの荒さが気に食わないわけではない。だが、別れ際に彼は言う。あんたは人使いが荒いんじゃない。人使いに無駄がある。もっと段取りを上手く工夫すれば、効率が上がるよ。もっとたくさんの仕事もこなせるようになるよ。しっかり考えなさい。今日の経営者も耳を傾けるべきお説教だ。

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